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141206 ドン・カルロ@新国立劇場

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新国でオペラ見るのは、今年1月の「カルメン」以来だし、オペラの実演見るのは5月のベルリン・シラー劇場での「ドン・カルロ」以来・・
急に思い立って夫に声をかけたんですが、二人で劇場鑑賞するのはいつぶり?!と、もう思い出せません(笑)
決してオペラゴアー、コンサートゴアーじゃないね・・・とつくづく思います。
今回の演出は、8年前のプレミエの時にも見ています。私、その時が新国デビウだったのですが(アメリカから帰国した年の9月のことでした・・)
改めて舞台を観てみると、細部は殆ど忘れてました(^^;


ドン・カルロ自体、実演で見るのは5回目(そのうちの2回が新国、2回がベルリン国立=シラー劇場、残り1回がドレスデン)ですけど、CDも映像もそこそこ観たり聴いたり。多分イタリアオペラでは一番好き・・かな?
過去のCDだと、エリザベッタ<エボリな印象のことが多いのに、どういうわけか実演では毎回エリザベッタ>エボリ(それもかなり差がつく感じ)・・になるのが不思議なんですが、そして今回もご多分に漏れず。
エリザベッタのセレーナ・ファルノッキア、カルロ役のセルジオ・エスコバルがまだ若くてやんちゃっぽいイメージだったので、エリザベッタの方がマダミィで落ち着いた感じに見えて、この役特有の危うい一途さ・・みたいなのには欠けるけど、正統的イタリアンソプラノ・・という感じで、佇まいも美しくて見応え、聞き応えありました。
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今回、巷の評判で、間違いなく大声一等賞だったカルロ役のセルジオ・エスコバル、歌の方は時々歌詞が欠落したりとかいう、荒っぽい所もありましたけど、確かにすごい大声。
でも「聴いていて心地よい大声」でしたから、好みかどうかは置いといても、彼を聴けたのは良かったと思いました。確かに【ドン・カルロ】を聴いた!という実感がありましたもの。
声は大きいけど演技が・・という意見が多いようですが、そうかなあ?オペラなんだし、私は別にアクロバットが観たいわけじゃないから、あのぐらい出来ればいいと思うけど。
4幕のエリザベッタとのデュエットは、この日の白眉だったと思います。
まだ若い歌手さんみたいですし、これからもう少し洗練されてくれば・・という期待も込めて(笑)また新国に来て欲しいです。
ところでエスコバルを始め、出演者の大声っぷりが話題になっていた今回の公演ですが、
この日、私見でエリザベッタを基準値100とした体感値ですが
150−カルロ
130ーフィリッポ
100−エリザベッタ
90−大審問官
80−ロドリーゴ
70−エボリ
という感じかな。
その、時点大声大賞のフィリッポ2世のラファウ・シヴェク、実は私、5月のベルリンでの「ドン・カルロ」で彼の大審問官を聴いているんです・・が、全く印象に残ってないんです(^^;(フィリッポはルネ・パーペだった)
鑑賞記でもまったく触れておらず、大審問官好きの私としては一体どういうこと?!と自分でも不思議だったんですが、
今回、理由がわかりました。
・・
・・・・・・
・・・・・・・・
確かに大声。だけどこの手の浅いバスの声は、私の振るいにかからないタイプの声で[E:weep]
あと、最初から最後まで徹頭徹尾押しまくるタイプの表現で・・これはこれで、フィリッポの横暴な面を強調したのかな、とも取れるんですが、例の「ひとり寂しく眠ろう」では、
金太郎飴みたいだな・・(表現が)
とか思っちゃったわけ。これなら確かに大審問官の方が向いているかな?と思うんですが、そーいうわけで大審問官ででも、印象に残っておらず。。。
(妻屋さんの声質の方が、フィリッポの多面的な役柄には向いていると思う)
それに、王様が必ずしも(ト書き通りの)白髪でなくても、まあ構わないかな?とは思うんですが、スキンヘッドなのは、個人的にはどうなの〜〜?と思いました。あれでは王様ではなく、マフィアの親分のようではないですか。
このぐらいの年代の歌手がフィリッポをやるのも、状況として悪くはないと思うんですが、それなりに落ち着いたコスチュームや扮装で化けて欲しいです。若さがプラスに働く役ではないと思いますので。
ロドリーゴのマルクス・ヴェルバは実演では初めて。評判の良いモーツァルトでは歌い崩すような感じを受けていたのですが、ものすっごく、真面目に手堅く(夫曰く「小さくまとまっている」だそうですが)歌うタイプなんですね。
今回が初役だったから・・ってのもあるんでしょうが、ちょっとビックリしました。
今回のメンツでは、確かに声量で負けてしまう場面が多かったですが、歌のスタイル的には好感が持てました。ちょっと痩せ過ぎかしらね?
その他、脇の日本人歌手の方々も妻屋さんを始め、修道士の大塚さんなど、適材適所で◎。
歌手の方は、こんな感じでそれなりに満足。合唱はいつもの如く優秀。
問題はオケ・・指揮者の指示通りに「音を出してます」的な、ニュアンス不足の鳴り方には、かなり不満が溜まりました。指揮ももう少し、アクセントを効かせるところはバシッと決めて欲しかったです。
(10年前のルイージ様×シュターツカペレ・ベルリンの鋭い刃のような演奏が何度も頭をよぎりました^^;)
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ところで今回、急に思い立ってチケット買ったんですけど(ま、クリスマス前だからいいでしょ!と大枚はたきましたわよっ^^;)楽勝で買えました。
しかし、土曜日の昼公演なのに、1階のS席サイド前方エリアの空きっぷりには唖然・・
自分たちの前は、最前列以外はガラガラ・・お陰で隅の方とは言え、見通しは良かったのですけど。
一列後ろには、年配の方々がずら〜〜〜っと座っていらっしゃったんですが(途中で「いびき」が気になる方が一名いらっしゃいましたが、休憩後戻ってきませんでした;;)
その後ろ3列ぐらいまで、殆ど空席。
あのエリアは以前は、アトレのセット券だと全て20%引きで買えたので、私もセット券を買っていた頃には好んで利用してました。
それが、何年か前から15%引きになってしまい・・景気低迷に加え、セット券を買う方自体も減っているのかもしれませんが(私もそーです[E:wobbly]割引率も影響しているのでは?
再演とは言え、人気演目の週末マチネの公演であれでは・・;
安い席はほぼ完売(確かに上の方は埋まっていた)のようでしたから、
あのエリアはセット券割引以外でも
せめて、アトレの会員向けには特別割引価格で販売する、とか、
或は上の方の階のように、隅の方は一つ下のランクに下げるとか、何か工夫して欲しいです。
今回のように真ん中から見ないと舞台の全容が明らかになりにくいセットですと、中央と同じ金額なのは、ちょっと割に合わないと感じました。
(異端審問の火あぶりの場面、殆ど見えなかったのよう[E:sad])
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2014年12月6日 ドン・カルロ@新国立劇場 (★★★)
1F右サイド前方
フィリッポ二世:ラファウ・シヴェク
ドン・カルロ:セルジオ・エスコバル
ロドリーゴ:マルクス・ヴェルバ
エリザベッタ:セレーナ・ファルノッキア
エボリ公女:ソニア・ガナッシ
宗教裁判長:妻屋秀和
修道士:大塚博章
テバルド:山下牧子
レルマ伯爵/王室の布告者:村上敏明
天よりの声:鵜木絵里
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:ピエトロ・リッツォ
演出・美術:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ

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