190201 イオランタ/青髭公の城@メトロポリタン歌劇場

2月1日はチャイコフスキーの「イオランタ」とバルトークの「青髭公の城」の二本立て。
2015年のHDで観たことがある演出です。

150403 イオランタ/青髯公の城@Metライブビューイング

イオランタの表題役は、今やすっかりMETのディーヴァとなった、ソーニャ・ヨンチェヴァ。
私が帰国した直後に、今秋のROH来日公演「ファウスト」のマルグリート役を降板し、来日しない・・・という話を聞いて
「ああ、METで聞いておいて良かった」
と思いました^^;

レパートリーを拡大し過ぎとか、声が太くなってきたとか色々言われていますが
私が意識して彼女を聴いたのは、昨年春のHDにかかった「ルイザ・ミラー」のタイトルロール。
自分のご贔屓さんのMETデビューだったので(敵役のヴァルター伯爵)3回も映画館に見に行ったんですが、その時の印象はどちらかというと「力で押すタイプ」
上手いんだけど、もう少し楚々とした感じも欲しいな…と思いました。

180519-25 ルイザ・ミラー@METライブビューイング

今回、イオランタでは終始一貫、柔らかく繊細に。スラブ系独特の仄暗い声が役によく合っていて、こういう歌い方ができる歌手なのか・・と感心しました。伊達に世界を席巻しているわけではないんだな…と。
役によって歌い方が変えられる器用な人なんだなと思いました。

イオランタのお父さん。レネ王はヴィッタリー・コワリョフ。彼も初演時のイリヤ・バーニクよりも適役だったと思います。演出の意図は少し弱くなっているのかもしれませんが、無理に怖い顔してお父さんの圧力をアピールしなくても、自然でいいんじゃないかな。

ロベルトのアレクセイ・マルコフは初演時と同じですが、ちょっと遅れ歌いになるのが気になりました。声量的には充分だし、一本気なこの役だとマイナスにはならないと思いますが…

もう一つの嬉しいびっくりは、ベルモンテを歌ったマシュー・ポレンザーニ。びっくりするほど繊細で、声的にも引き込まれました。ロシアものにはちょっと違うんじゃないかなあ?!と思っていたんですが、初演時のベチャワよりもむしろ適役だと思いました。
イオランタとのやり取りは字幕なしでも(HDの時は字幕もウルウルした要因のひとつ)ウルウル、最後はもう号泣だったという・・^^;
(前後左右、誰もいなかったので感情を思い切り解放できたのも大きい)

後半の「青髭」は、ジェラルド・フィンリーとアンゲラ・デノーケの実力派ベテラン二人による心理戦。イオランタとは全く違う緊迫した二人のやり取りに、なんども背筋がぞわぞわしました。

この晩の一番の功労者は、指揮者のヘンリック・ナナシでしょう。両極端の作品を、ちゃんと意図を持って描き分けていました。イオランタでは優しい世界を、青髭では緊迫した世界を、とでもいいましょうか。

この2つの作品は、どちらか片方だけでも実演に接する機会は少ないと思うので、今回素晴らしいキャスト、指揮者で観られて(聴けて)本当に良かったと思いました。

そしてMETで実際に歌手の歌を聴いてると、無理なく八分の力で(手抜きって意味じゃなく)ちゃんと響かせることができるか否かの差が如実にわかる気がします。単に声が大きい小さいの問題ではなくて。
この夜の二人のディーヴァ、ヨンチェヴァとデノーケは全くタイプが違うけど、その芯の部分は2人とも揺るぎない。一流の証しだと思いました。

ちなみに、ヨンチェヴァが降板したROHの来日公演「ファウスト」のマルグリート役は、1月30日にドン・ジョヴァンニでドンナ・アンナを歌っていたレイチェル・ウィリス=ソーレンセンだとフォロワーさんに教えて頂いたのですが…

個人的には、残念ながら力量にはかなりの開きがあるかなと感じました。響きが乗ってこないタイプに感じたので。。。

指揮:ヘンリック・ナナシ
出演:
ソーニャ・ヨンチェヴァ(イオランタ)
マシュー・ポレンザーニ(ベルモンテ)
アレクセイ・マルコフ(ロベルト)
イルヒン・アズィゾフ (エブン=ハキヤ)
ヴィタリー・コワリョフ(レネ王)

アンゲラ・デノーケ(ユーディット)
ジェラルド・フィンリー(青髭公)

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【チケット・席】

前回のドン・ジョヴァンニの時に当日券をボックスオフィスで購入したのですが、今回はまず、当日の12時〜ネットで販売されるラッシュチケットにまず挑戦してみました・・・が、あえなく瞬殺でおじゃん。

★ラッシュチケット(Rush ticket)とは、当日(土曜日はマチネが開演4時間前、ソワレは午後2時から)平土間の空きのある席を100席ほど、25ドル(!)という破格の安さで売りに出されるチケット。事前にアカウント登録が必要。
Metropolitan Opera | Rush Tickets

日本語でも「メトロポリタンオペラ ラッシュチケット」で検索すると、解説してくれているページがいくつか見つかります。

またボックスオフィスへ出向いて買っても良かったのですが、ちょっと面倒だったので今回はネットでドレスサークル席(4階)の中央ブロック、一番後ろの列(G列)の隅を買いました。
(ネットで買うとFacility Fee $2.50 プラス$7.50の手数料がかかるので、可能ならばボックスオフィスに出向いて購入する方が安くつきます)

ドレスサークルは、上階のバルコニー席の座席が屋根みたいにせり出していて、ますます縦の大きさを感じなくなる気がします。
バルコニー席の前の方の列とドレスサークルの後列がほぼ同じお値段(100ドルくらい)ですが、気楽に見たいならばドレスサークルの後列の方がオススメかな・・

キャパシティが大きいので、よほどの人気公演でなければ、こういう感じで、当日に上の方の席を買うことはできると思います。

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