金曜日は私のオペラ時間。貴重なひとり時間に『セヴィリャの理髪師』を聴く
週に一度、私だけの「リセット時間」
毎週金曜日は、週に一度の母のデイサービスの日。この日が夫のアルバイトの出勤日と重なると、私にとっては貴重な「一人時間」を確保できるチャンスとなります。この時間を使って、先日までの北海道旅行の疲れをゆっくりと癒すことにしました。
あれこれとやりたいことは頭に浮かんでいましたが、午前中は先日放送されたMET(メトロポリタン・オペラ)の「セヴィリャの理髪師」の放送録音を聴いて過ごすことに。何か作業をしながら「流し聴き」をするつもりが、引き込まれるのとは少し違うけれど、自然と音に集中していて、結局午前中は丸ごとオペラ鑑賞で終わってしまいました。
MET「セヴィリャの理髪師」録音のファーストインプレッション
なんだか少し「疲れる」演奏?
「理髪師って、こんなに長いオペラだったかな?」というのが正直な感想です。序曲のテンポは小気味よく、テノールの声もAキャストの方よりハリがあるように感じましたが、なぜか全体として少し疲れる演奏に感じられました。
話題のロジーナ、アイグル・アクメトチナの印象
評判の良いロジーナ役のアイグル・アクメトチナは、迫力のある声量で終始一貫「押せ押せイケイケ」なロジーナ…という印象。音だけで聴くと、私が思い描く役のイメージとは少し違うかもしれません。
そういえば、彼女は「カルメン」で名を馳せた歌手でした。彼女のカルメンの音源を探して、その表現を検証してみたくなります。(ロジーナ役に関しては、私自身の知識のストックが少ないので、あまり多くの歌手と比較できないのが残念です…)
私史上、最高のロジーナは今も変わらず
たくさんの音源を聴き込んでいるわけではありませんが、ロジーナのカヴァティーナ「今の歌声は」に関しては、20年以上前のオペラ入門時期に聴いたマリア・カラスを超える歌唱に、いまだ巡り会えていません。
“Ma se mi toccano dov’è il mio debole”
(でも、もし私の弱点に触れようものなら)
この一節にある「Ma」の間合いが、本当に素敵なのです。YouTubeに上がっている、動く彼女の歌唱をぜひ、ご堪能ください!
ところで、バジリオは…?
私の推し様であるアレクサンドル・ヴィノグラードフが歌うバジリオ?ええと…そんなに歌う場面が多いわけではないですしね(笑)。
「悪口はそよ風のように」という、なんとも奇妙で面白いアリアが与えられていますが、役柄としては怪しくて胡散臭いキャラクターだし。。。
映画館での上映に向けて
この公演は、7月11日から日本各地の映画館でも上映される予定です。それまでに、今回聴いた録音はもちろん、2012年のサンディエゴでの放送や、今年のMETでのAキャスト版など、他の音源も聴き込んでみたいと思います。
そして、私なりの「答え」を見つけてから、映像と共に楽しみたいと思っています。
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