190130 ドン・ジョヴァンニ@メトロポリタン歌劇場

当日券をボックスオフィスにて購入。

前日にカルメンを平土間後方で観て、下の方に座っている時には、ここの劇場の巨大さをそこまで体感しないものだな…と感じました。

それで上の方でも観てみたいと思い、当日の午後3時過ぎぐらいにボックスオフィスに立ち寄ると、5階のバルコニー席の真ん中ブロック一列目で、ぱかっと空いていたところを勧められました。
100ドル+手数料2.5ドルで合計102.5ドル。

上から二段目(5階)の最前列です。入れ物自体は昔行ったシカゴのほうが、体感的に大きい気がしました。と言ってももう10数年前のことなので、今行ったらまた違う感想を持つかもしれませんが。

写真や映像でどれだけ巨大なんだろうと思ってましたが、座る場所によっては「えっもっと大きいかと思ったのに」と感じます。

多分横幅が狭いとまではいかないけど、タテヨコの比率的には、縦にうんと長いので、写真や映像では巨大に見えるのかな。。

今回座った5階の真ん中一番前(A列)だと、ちょうど体感的には新国の3階の真ん中みたいな感じ。
音響も、大型劇場なので心配してましたが、決して悪くないです。ちゃんと楽器の弱音まで聞こえますし、視界も中央エリアで見る分には、舞台の端が切れるなどということもなく、舞台全景を観る分にはこのエリアでも充分です。アップが欲しい時に双眼鏡を使えば補えます。

ただ、手すりが視界に入る時があって少し鬱陶しいとも感じたこと、両サイドにも人がいるし、後ろを振り返ってみると空席がかなりあったので
1幕終了後の休憩の後には、同じブロックのG列(一番後ろ)に下がって観てました。

面白いことに、ここまで下がって初めて「METの大きさ」を実感できた気がします。視界的にはより見下ろす感じになるのですが、この辺りだと前の席よりも15ドルぐらい安くなるので、ちょっと気になる演目で気軽に観たい・・と思ったら、この辺りはコスパ高いと思います。

ルカ・ピサローニ(DGデビュー)
イルダール・アブドラザコフ(レポレッロ)
ステファン・コッツアン(騎士長)と、今が旬のアラフォーバス・バリトン陣を一度に実演で聴ける旨みはMETの良さかなぁと。
聴ける機会があれば、彼様(アレクサンドル・ヴィノグラードフ)と同世代のバス、バスバリトンはできるだけ聴いておきたいと思っているので、渡りに船。

ピサローニは、この演出ではずっとレポレッロを歌ってきていて(2012年のHDは私も観ました)今回がタイトルロールのロールデビューということでしたが、一番良かったのは2幕のセレナーデ。

華麗な演技、双眼鏡越しに見えるハンサムなお顔と、立派な胸毛に目が行ってしまい・・・というわけではないのだけど、
歌だけだとちょっと集中しづらかった。というのは、レポレッロのアブドラザコフと声質が似ていて、聞き分けがつきにくい・・・と私には感じました。
あと個人的には、腹に響くような低音の鳴りがどどーん!と欲しいところで聴こえて来ないのは物足りない。
(これはあくまでも私の趣味嗜好であって、彼の良さはもっと他にあるような気がした・・ということです)

アブドラザコフは直前にテレビでスカラ座のアッティラを観てきたにも関わらず…5階のバルコニー席から双眼鏡を駆使しても、え?この人がそうなの?ってパッと見、誰だかわからず、
(なんか、1か月でめちゃ膨張した気が😓)

メイクもちょっとかわいい系⁈で、彼だと事前に知ってたから、この人がそうなんだ〜と自分に言い聞かせながら観てましたが、もし知らなかったら最後まで気がつかなかったかも。

つまり(私側の聴き込み不足問題も大ありだけど)声だけでは誰なのかの判別がつかないってことです。

確かに綺麗でクセのない声だし、演技もコミカルでいいんだけど、この人は何がきっかけで今みたいにブレイクしたんだったけな〜とか思ったり…

コッツアンは、はああ、そうだねこの声には聞き覚えがあるよって思いました。彼はずっとこの役を持ち役にしてますが、実際に聴いてみると特筆すべき鳴りの低さでもないように感じたけど、それこそレポレッロやDGは歌わないのかな・・・まだ若いだけに、騎士長にそんなに固執することもないような・・ちょっと勿体ない気がします。

女性たちはツェルリーナのアイーダ・ガリフッリーナ(Metデビュー)が一番良かった。アンナとエルヴィーラは声質が似通っていて、聞き分けがしづらいわ、どちらもキンキン叫ぶ感じで、個人的には微妙。。。

指揮(も劇場デビューだったとのこと)もちょっとなあ・・序曲は10分以上かかったような気がしたし、各アリアも普段の1.5倍ぐらいの時間がかかった気が・・

好みの違いこそあれ、ひとこえ、ワンフレーズで「おっ、これはあの人だな」ってわかる歌手は、それが個性だと思うし、往年の大歌手と言われる方達はまさにそう。

そして、アンサンブルが重要な作品において、声質の違いがそれぞれの旋律を引き立たせるからこそ面白いのであって、似た声質では逆にストレスが溜まる…
そんなことをバルコニー席からぼんやり考えながら、ぼんやり観てました。

でも、私の生鑑賞リスト・バス、バスバリトン歌手編に新たに3人が加わったことと、
この劇場で歌手を聴く・・・ということについて、いろいろと気がつき始めたことは、私にとってとても有意義なことでした。

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ルカ・ピサローニ(バリトン/ドン・ジョヴァンニ)
レイチェル・ウィリス=ソーレンセン(ソプラノ/ドンナ・アンナ)
スタニスラス・ドゥ・バルベラック(テノール/ドン・オッターヴィオ)
フェデリーカ・ロンバルディ(ソプラノ/ドンナ・エルヴィーラ)
イルダル・アブドラザコフ(バリトン/レポレッロ)
ブランドン・チェデル(バス/マゼット)
アイーダ・ガリフリーナ(ソプラノ/ツェルリーナ)
ステファン・コーツァン(バス/騎士長)

メトロポリタン歌劇場合唱団
コルネリウス・マイスター指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団

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