MET「セヴィリアの理髪師」鑑賞レビュー:ロッシーニとオペラの魅力を再発見!
面白かったです^^
公式サイト:
オペラ歴25年になりますが、実はこの超・有名な作品を、字幕を見ながら映像をしっかり観たのは初めて。(以前、対訳と首っ引きで音だけを聴いたことはあります)
以前X(旧ツイッター)のスペース上で話した時にも散々申し上げたのですが、私はベルカントオペラは食わず嫌いでして💧推し様が出てなければ、まず自分からは選ばない作品。でもちゃんと観たら、コメディとしてもよく出来ているのよね〜〜〜と唸らざるを得ないな、と思いました。
ごめんね、ロッシーニ先生。
「セヴィリアの理髪師」と「ばらの騎士」の意外な共通点?
そうそう、字幕付きで観ながらぼんやり考えていたんですが、「ばらの騎士」って、(「理髪師」の後日談でもある)「フィガロ」のオマージュであるとはよく言われますけど「理髪師」のオマージュでもあるんじゃないかと。設定に多少、違いがあるとはいえ、
- バルトロ=オックス男爵
- ロジーナ=ゾフィー
- アルマヴィーヴァ伯爵=ロフラーノ伯爵(つまりオクタヴィアン)
と考えられませんか?
各キャストのパフォーマンスを深掘り
アルマヴィーヴァ伯爵役:ジャック・スワンソン
アルマヴィーヴァ伯爵は、字幕観ながら聴いて(観て)いると、初っ端からけっこうな暴君だよな〜〜わがままだよねえ…なれど、終盤の大アリアでは、めちゃくちゃ説教臭い内容を繰り返し歌っているし。
後日弾「フィガロ」での伯爵をヨォーーーーーっく、知っている身としては「どの口が言うんだよw」と、突っ込みたい・・・
ジャック・スワンソン、お顔も可愛くて(若き日のヴィノグラドフ=バジリオ様に面差しが似てるので、変装場面ではより可笑しみが倍増したと思う)王子様キャラっぽい甘さは容姿にも声にもあるけど、歌は優等生的、もう少し遊び心があってもいいんじゃないかな、って思いました。
ロジーナ役:アイグル・アクメトチナ
アイグル・アクメトチナは5月31日のラジオ放送の折、音だけで聴いていた時にも「気の強いロジーナだわね」と思ったけど、映像を伴うと(一時期流行った)男を「狩りにいく」野心満々のツヨツヨ役作りがいっそう浮き彫りになった気がします。

本人はインタビューで「初恋のときめきを・・・」と仰ってますが、いやいやいやいや、初恋にはもう少し楚々とした雰囲気が欲しいぞよ。。。
但し往年のオリガ・ボロディナを彷彿とさせるめちゃくちゃ強く、上から下までよく鳴る声は、確かに「今、聴いておくべきメゾ」かなぁという気がします。奔放な役作りは「コジ・ファン・トゥッテ」のドラベッラや、「オネーギン」のオリガにも合っている気がするし、何より次世代のヴェルディ・メゾとしての期待が膨らみます。
フィガロ役:アンドレイ・ジリカウスキ
モルドバ(ウクライナとルーマニアの間にある小国)出身フィガロのアンドレイ・ジリカウスキは、
イケメンなのに!!!
もう少し弾けて欲しい!!!
いや、充分上手に歌っているとは思うのよ。アンサンブルで合わせたりするのはすごく上手なんだけど、アリアになるともう少し「俺様だぜぇ」的な自我をガシガシ出して欲しいな。
(これは…私のフィガロのデフォルトがDeccaのCDで歌っているエットーレ・バスティアニーニの強烈なやつだからということに起因してると思うのよ)
バルトロ役:ピーター・カルマン(METデビュー!)
本日1番の嬉しいビックリ‼️は、バルトロのピーター・カルマン。1970年ブタペスト生まれ、なんと今回がMETデビューだとのことですが、いやいやいやいや、この人上手い!この人の所作を見ていて、バルトロ=オックス男爵の図式が浮かんだのよねぇ。
この作品、バルトロは狂言回し的な存在だし、この役が締まらないと収まらないでしょー!って、とても実感しました。文句なしです!!!
ドン・バジリオ役:アレクサンダー・ヴィノグラドフ
で。推し様アレクサンダー・ヴィノグラドフ(今回は公式に則ってこう書いておくわ)のドン・バジリオですが;
これから見る方は、彼の華麗な?!指さばきに注目して下さい。
以上。
今後の鑑賞予定
最低でもあと1回、行けたら2回いく予定なので、また書きます📝
ヴィノグラドフに関してはその後に(笑)
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