☆「ファウスト」がこういう流れで上演されることが他にあるのかどうか知らないのですが、個人的には珍しいし、貴重だと思うので、覚えている範囲で
(思い出しながら向こうで簡単にメモを取ってた+ハイライトビデオ+舞台写真などを合わせて記憶を蘇らせている最中)
流れを記録しておきますね。簡単に・・のつもりだったのですが、前半だけでもかなり長くなってしまったので、前後半に分けてアップします。
公演の詳細データ、舞台写真まとめなどは
160130-0221 Gounod:Faust Mephistopheles @ Aalto-Musiktheater, Essen
後半の流れは
をご参照下さい。
☆こんなに長いのに、まだ前半だけです^^; (でも既にヘンタイモードに入ってますので、閲覧には十分お気をつけ下さい・・;)
《舞台装置》
真ん中に大きな柱、その周りを回転盤?でぐるりと囲んであり、真上から見るとこういう感じ。
状況に応じて回る回転盤の上で演技歌唱したり、そうじゃないところで歌ったり。
この回転盤が回る様子が、2Fからだとよく見えるのですが、平土間だと舞台の高さと目線が同じになるので、ちょっと面白さ減。聞こえ方も上の方が満遍なく聞こえたんですが、やっぱり真正面から彼の声を浴びたいし💕やっぱり違う場所から2回見るって大事ね。
・1幕
《序曲》
ベッドに括り付けられたマルガリータの遺体をずるずると引きずりながら、回転盤とは逆回りに重い足取りで歩くファウスト。
《老ファウスト登場》
チューブやら薬やら、医療器具をこれでもか!とつけさせられ、もはや薬さえ飲む力の残ってないファウスト。
青春を謳歌する若者たちは公園やビーチで戯れる制服姿の女子学生(実はメフィストの使い魔)
人形のように一つのポーズをとったまま微動だにしない。一周回るとまた別のポーズを取って・・という感じ。この「動きのなさ」が、妄想ファンタジーっぽさを増長する感じ。
《メフィストフェレス登場💕》
「呼んだ?」で右の奥から出てくるメフィストは、微妙に白髪も混じった肩くらいの長さのロン毛で、白いランニングシャツ+ピンクの生地にキラッキラのスパンコールのついたジャケット+ズボン。サッシュももちろんピンク(笑)
こんなカッコで病院内をうろついてたら怪しいってば💦 ・・と突っ込みつつ「に、似合う・・・💘」(←惚れ直しその1)
平土間から見た時はちょうど私の真っ直ぐ前の位置から出てきてくれたので、尚萌え萌え。
老ファウストの医療器具付き車椅子を乗っ取って(笑)薬のビンとかカミソリで遊びつつ、
「で、何したいわけ?」ってかる〜く聞いちゃったり。「恋がしたい!」で見せたマルガリータの幻影は、ギンガムチェックのワンピ姿で公園で風船を売っているかわゆい女の子。
老ファウストはもうメロメロ〜〜!なんだけど、もしかしてこのファウスト、びみょーにロリッ気がある?!(笑)
《メフィストとファウストの契り》
メフィスト様、リストカット・・
じゃなくって💦 お互いの手首からちょっと上のあたりを、カミソリでしゅっ!
(作り物だとわかっていてもヴァラリン、心の中で「いった〜〜〜い!」と叫んでみたり^^;) → 切ったトコ同士をこすり合わせて、出てきた二人の血を混ぜ混ぜ。
使い魔の女子たちがメフィスト愛用のゴーカートに乗って登場。若返ったメフィストのお着替えを手伝い(いやん)
メフィストの指笛でGo~~~~~!
この指笛、彼すっごく上手なんです!!!昔、ダーラントを聴いた時にも鳴らしていて、その指笛の音にすら萌え萌えしてた記憶が蘇りました💘(←惚れ直しその2)
締めくくりのオケもガシガシ鳴っててGood!
え、「ファウスト」ってこんなに劇的な音楽だっけ・・?
・2幕
《酒場の場面》
出てきた村人たちはこういうお面かぶった怪しい集団↓
表情が読み取れないのが不気味なんだけど、これまた1幕の老ファウストの妄想ファンタジーに通じる「動き、生気のなさ」がアッチの世界に引き込まれるような感じ。
《ヴァランタン登場》
風船売りの妹・マルガリータを伴って・・なんだけど、この二人、まるで恋人同士のようにじゃれあっていて・・
そのじゃれあい方も
「さっさとメダルくれよ!」(なかなかのイケメンで、男気に溢れた感じが役によく合っていたと思う)
「もぉ〜〜!お兄ちゃんったらっ(いやん)簡単にはあげないわよぉ〜〜」
という感じのじゃれあい方で、
・・なんだかもしかしたら、この二人・・近親相姦的なつながり・・ある?という疑いを持たせるかのような感じ。
そして(なぜかそこに出店がw)TATOO SHOPの前で立ち止まり、おもむろに上半身裸になるヴァランタン。
アリアを歌いながら一枚ずつ脱いで、その服をマルガリータに投げて、受け取った服を愛おしそうに抱えるマルガリータ。最後に投げられた軍服は自らまとって。
ところでお兄ちゃん、背中に何彫ってもらってんの〜?って思ってたら、
背中いっぱいに(マルガリータの)”M”(筆記体で流れる感じのフォントw)・・・
・・お兄ちゃん、怖いよ💦
兄の軍服をまとい、その背中をうっとり眺めるマルガリータもかなり怖い💦
この辺からも二人の関係が怪しく思えた私。。。
《メフィスト&ファウスト、いつの間にか乱入》
ヴァランタンの出征後、すぐに人々が入り乱れるワルツに(*1)。この間にメフィスト&ファウストもゴーカートで乱入。なぜか合唱の音頭を取っているメフィスト・・💧この姿に「フィガロ」が重なって見えたり。
そのメフィスト、ウサギの着ぐるみ姿のお菓子売り・ジーベルからお菓子を買って、代金を下さいという仕草をするジーベルに向かって
「金?ダメ、やらねーから😈」みたいなニヤニヤイタズラ悪ノリ・・なにこの軽いSっぷり(違^^;)
(「ボエーム」でこっそりワインをくすねて知らん顔して飲み代を踏み倒そうとしたコッリーネが重なる・・)
《サングラス&メフィストとお揃いのピンクスーツ姿のファウスト、風船売りのマルガリータの風船を全部買い占める💧》
口説き方がこれですか💧買い占めた風船の一つをマルガリータにプレゼント。
マルガリータも愛しのお兄ちゃん、出征しちゃったけど誰、この(怪しくも💧)素敵な人・・?って感じで、まんざらでもなさそう。
相変わらずメフィストはジーベルをからかい、ファウストはマルガリータにいきなり「君を愛している!」と大声でコクるも、やんわり断られ・・
音楽は盛り上がって(回る回転盤とともに)くるくる回るメリーゴーランドみたい、まるでおもちゃ箱みたいなファンタジー・・・
(*1)この時点で「あれ?金の子牛は?!まさかカット?!」とどっきどき。
尤もその時は 「金の子牛」のことしか頭になく、
ワーグナーの「ネズミの歌」〜メフィストのワイン樽出し→皆に悪魔だということがばれて十字架を怖がるところ〜剣のコラールまでが、まるごとカットされていたことに気がついたのは、1回目の舞台を見た翌日。
観光の途中でふと「あれ?そーいえば・・なかった?7日にちゃんと確認しなきゃ!」って思ったのでした。
・3幕
《ファウストのアリア》
民衆の合唱、ワルツのあとに一人残ってジーベルが「花の歌」を歌い、すぐメフィスト&ファウストがやって来て、「じゃ、俺何か探してくるから」と場を離れるメフィスト。
一人残ったファウストは、マルガリータの「小さな家」(絶妙なサイズのキャンピングカー)の上によじ登って、ドアを開け、ハンガーにかかった彼女のワンピースやスリップを勝手に持ち出し^^; それに向かって「この清らかな住まい」を歌います。
(この描写は2月7日に同じ舞台をご覧になった、ツイッターでお世話になっている@MoriokaM 森岡実穂さんのツイートが実に的を得ています。つまり、そーいうことね・・)
《ファウスト》③:マルガレーテの家は小さなキャンピングカーなのだが、これが絶妙な小ささで、ファウストがこの車の上で彼女の「服」と戯れたり、無遠慮に体を突っ込んだりするのがフェティッシュにエロティック。直に女性と対峙する時より生々しい欲を感じさせる。シュテルツル……!
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) February 7, 2016
《マルガリータのアリア》
メフィストが持ってきた宝石箱にはティアラ、ネックレスなどのお決まりのもの以外に、シャネルのショルダーバックと、先にお星様⭐️がついた魔法のステッキ。
これを歌に合わせて振ると、舞台上のツリーの電飾がキラッ!チカチカと点滅。
コメットさん(古い^^;)みたいで可愛い!!思わず客席からも「微笑ましい〜!」という感じの笑いが起こりました。
《マルトおばさん登場》
肉感的ボディを強調するようなぴっちぴちのジャージに鳥の巣のような頭💧
んまっ!何この宝石?!とマルガリータに詰め寄りつつも、ちゃっかりブレスレットを手首につけたりして。
そこにメフィストとファウストが登場。それぞれ、相手を口説き始める怪しい扮装の二人・・💧
片方のカップルが重唱しているときはもう片方は静止している・・この対比が面白かったです。
《そそそそそそして、問題のキャー!!》
ファウスト❤️マルガリータカップルの重唱が続く中、回り舞台の裏側に回るメフィスト&マルトおばさん。
メフィストは舞台に背を向けたまま仁王立ち、マルトおばさんは・・・メフィストの前にひざまづき・・
・・・・・・・・
これって。
いや〜〜〜〜〜ん!悪魔のくせに人間の女に何をさせたのよ💦💧💦
(涼しい顔してファスナー上げてるし💦)
も〜〜〜〜〜っ(///!(←惚れ直しどころか変態スイッチが入るじゃないかあああああああっ💦)
・・ぜえぜえ。
こっこの場面以降のメフィストは(ザ・スロースターターなので、幕が進むにつれて声の鳴りが良くなる・・ってのもあるんですが)
もうもう、私の理性を思いっきり揺さぶり攻勢に出てきやがって(違^^;)
《ファウスト❤️マルガリータの2重唱》
マルトおばさんをうまくまいたメフィスト(自分だけいい気持ちになったくせに・・違^^;)
ファウストとマルガリータの二人は公園デイト(よかったね、ファウスト・・妄想の願いが叶ったよw)
ここで「マルガリータの心を乱してしまえ・・」と歌うメフィストの独白の低音が・・めちゃくちゃ効きました(///
《押しまくるファウスト、戸惑うマルガリータを観察する悪趣味なメフィスト^^;》
二人の公園デイトを、肘枕しつつ寝転がって💦ニヤニヤしながら観察するメフィスト。
マルガリータがなかなかファウストの求めに応じず、花占いを始めるあたりではあくびも交え「っんだよ、早くしろよ〜〜(何を?)」ってな感じで・・
勢いに任せてファウストがマルガリータを押し倒すと、笑みを浮かべつつ「いけ!いけ!いいぞ!もっとやれ〜〜(何を?)」的なアクション。
・・・・・・・くーーーーーーーーーーーっ、なんて悪趣味なの!
(でもどツボにはまるわ、このドS男っぷり・・・・・(違^^;)
この場面、マルガリータが戸惑ったり、そんなに急かさないで・・と揺れるところ、木管のリズムもはっとするほど印象的だったんですが、なにしろオケがものすごく雄弁で、一旦ファウストを拒むところなど、まるで雷鳴のような響きで。
え?この作品ってこんなに劇的だっけ?あ、あの「耳触りが良く、心地よい眠りに誘う」軟派なグノーじゃなかったっけ?
《そして二人は・・メフィストは?!》
一旦撤退してきたファウストに「お前ばかかよ💧」的な呆れっぷりから「ほら・・彼女が出てきたぜ」の最後の弱声。彼の何が好きかって、もちろん全部好きだけど、とりわけ彼の低くトーンを落とした弱声には滅法弱い私。
このシチュで、あああああ、あんな官能的な響き、あり得ない〜〜〜〜〜(///▽///
そして3幕のフィナーレ、マルガリータ陥落の瞬間のあの笑い声!
公園で熱く抱き合う(ファウストはピンクの上着を脱ぎ捨て、マルガリータは押し倒されたままファウストの首に腕を回し・・)二人を「やっりい!!!」ってな感じで、いたずらっ子のような笑顔を見せつつ(いいのか悪魔がそーいう顔して💦)
高笑いしながら、公園のブランコの手すり部分に片手でぶら下がって揺れるメフィスト、まるで空に浮かぶ三日月みたいだった・・
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ここで一旦休憩が入ります。私も一旦、休憩します・・(メモ見ながらタイプしなおすだけでも顔から火が出そう・・・(///)
さて。
「金の子牛」は本当にカットされたままなのか?!
はたまた、途中どこかで挿入されるのか?!後半をお楽しみに
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2016年2月4日&7日 ファウスト@エッセン・アールト劇場
演出:フィリップ・シュテルツル
指揮:セバスチャン・ロウランド
ファウスト:アドデッラ・ラスリ
メフィストフェレス:アレクサンドル・ヴィノグラードフ
ヴァランタン:マルティン・コーネット
マルガリータ:ジェシカ・ムイヘッド
ジーベル:カリン・ストロボス
マルト:アルムス・ヘルブスト