祝!ホロさん舞台復帰っ おめでとうございます!!
6月末に脳腫瘍(今回の感想を検索してたら脳梗塞とか脳卒中と間違えていらっしゃる方もちらほらいましたけど・・;)罹患を告白し、現在もまだ治療中のディミトリー・ホロストフスキー氏の復帰公演ということで、今シーズン初めてのライブビューイングに行ってきました。
いつも行ってた横浜の映画館が閉鎖してから新しく桜木町の横浜ブルグに変わったのは、場所的にはいいんですけど、7月にROHのライブビューイングで行った時にいまひとつかも・・と思ったので(決して上演に不満があったからだけではないノヨ)
新規開拓!ということで、東劇まで行ってみました。あそこは広いんですねえ〜〜
平日の午前の部ということもあり、3分の1くらいの入りだったと思います。場所柄、おハイソな年配の方が多いかな・・と見受けました。通常は夕方からの上映が多いですが、演目によっては1日3回とかいうものもあり、そういう時にはお芝居鑑賞気分が味わえて使えるかも・・と思いました。
で、上演の感想ですが;
まーもう、ホロさんとネトレプコに尽きるかなと。
ネトレプコはザルツブルグの映像を視聴した時に、こういうレオノーラを待ってたのよ!と思わせてくれたんですが、今回も納得の出来。4幕の「恋はバラ色の翼に乗って」はちょっと粘りすぎで間延びした印象もありましたが、自在に声をコントロールし、スケールの大きな歌唱で唸らせてくれました。
インタビューで「すっごく、すっごく難しいんだけど、この役に夢中なのよ!」と言ってましたが、うんうん、そうだろうねえ〜〜とニヤニヤしちゃったり(息子さんが可愛い・笑)
なんと言っても彼女は雰囲気美人。もう、むっちむちで肝っ玉母さんのような貫禄ですけど、舞台姿に気品があります。衣装もよく似合っているのよねえ〜〜
ホロストフスキーは休養明けの状態がプラスに働いたのでしょう。もともと彼のルーナ伯爵は(ファンの方には申し訳ないんだけど^^;)ロシアものよりもうんとうんと彼に合っていて、彼の一番の当たり役だと思っているのですが、
2011年よりから役を練り直して、更に進化しているのが凄い。彼の強靭な集中力と精神力に対して心から賞賛を送りたいです。
ルーナ伯爵って意外に純情というか、ぶっとんだ変態的なことを言ってる割には、レオノーラがマンリーコと間違えて抱きつこうとした時に一瞬「えっ?聞き間違いじゃないよな?い、いいのか?俺のことだよな?!」みたいな表情を見せたりするし
(その後の怒り方がね・・その落差が変態的^^;)
口では「神がライバルでも俺が奪ってみせる!」とか息巻いてますが、彼は決して、レオノーラに無理強いはしてないんですよね。(誘拐はしようとしてるけど)
4幕の二重唱でも(たとえマンリーコを救い出す為の策略とは言え)「あなたに身を捧げます」と言い出したのはレオノーラの方であって、彼の方から手を出しているわけではない。
なんと言ってもIl balen(君の微笑み)のメロディも歌詞も、あの作品の流れとして聞くとちょっと浮くぐらい、すっごい綺麗な恋の歌なんですよね。
これは9月25日・初日の時の歌唱だそうです(クリップ作成は娑羅さん♪)
歌詞を見ながら聞いてみると、ほんとうっとりします💕
彼女の笑顔の輝きは
星のきらめきにも勝っている!
彼女の美しい顔の華やぎは
私に新たな勇気をくれる!…
ああ!この愛、燃え上がる愛よ
彼女に語りかけておくれ 私のために!
払いのけておくれ 彼女の瞳の中の太陽よ
私の心の中の嵐を
(訳:オペラ対訳プロジェクト様より)
↑とても性格異常者のセリフとは思えません!
地位も名誉もある立派な男が一人の女性に心を奪われている様子、恋する男としての高貴なルーナ伯爵の人物がくっきりと浮かび上がってました。
今回、ホロストフスキーはこのアリアの後、万雷の拍手に応えながら涙を浮かべていましたが、彼の胸中を慮るとこちらも胸が熱くなりました。
今回、リハーサルでは4幕の二重唱の後、レオノーラから伯爵にキスしちゃってて、それはいいのか?アリなのか?!と仲間内で話題になってたんですけど(笑)
ネトレプコ・レオノーラも真に迫った懇願だったし、あの色っぽい2重唱の〆として、本番でもレオノーラから仕掛けた方が、リアリティが増したかもしれないな・・と思ったり。。。(ムフフ💕)
いずれにしてもこの場面、今回の演奏の白眉だったと思います。
マンリーコのヨンフン・リーは・・・ゴメンなさい、私、2011年のHDでマルちゃん(マルセロ・アルバレス)のマンリーコに惚れ込んだので、どうしてもマルちゃんと比較してしまい・・せっかく今回これだけ役者が揃ったのに、ああああ、これでマンリーコが・・と随所で思ってしまいました。
リーは声はいいと思うんですが、どうしても体格が薄いのと
いかんせん表情が乏しい(顔の表情+歌のニュアンスも)のと、演技がワンパターンなのが・・;
恋人に語る時も、恋敵に宣戦布告する時も、お母さんと語り合う時も全部一緒なんですもの。それはないでしょう!と言いたくなってしまいます。
舞台で見る分にはそんなに細かいところまで気にならないのかもしれませんが、ライブビューイングでは細部まで写ってしまいますからね。もし彼が今後もHDに出演するのならば、それ向けの演技も工夫して欲しいです。
アズチェーナのザジックはいつもながら手堅く。ちょっとこの役には声が高いのかな〜とも思うんですけど、ね。
こっつあん(フェランド)は4年前よりも腹回りが立派になりましたな(見逃さなかったぞよ・笑)
彼、ふとした瞬間に私のご贔屓さんと面差しが似て見える時があるんですが、なぜこれほどまでにときめかないのでしょうw
あ、あとイネスが前と同じ人で良かった〜彼女可愛くて好きです💕(ラセットの蝶々さんの映像ではスズキ歌ってますよね)ルイスもいい味出してたし。脇が揃っているのも嬉しかったです。
字幕を追いながら見ると、どの登場人物もアリアではなかなか含蓄深いことを語っているのに、トータルで見るとどうしてこうも荒唐無稽のストーリーに感じられるんでしょうねえ・・それがこの作品の魅力でもあるんですけど(笑)
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2015年11月4日@東劇にて鑑賞
【MET上演日:2015年10月3日】
<出 演>
マンリーコ……………..ヨンフン・リー
レオノーラ……………..アンナ・ネトレプコ
ルーナ伯爵………..ディミトリ・ホヴォロストフスキー
アズチェーナ……………..ドローラ・ザジック
フェルランド…………….ステファン・コツァン
Ines………………..Maria Zifchak
Ruiz………………..Raul Melo
Messenger……………David Lowe
Gypsy……………….Edward Albert
<指 揮>
マルコ・アルミリアート
<演 出>
デイヴィッド・マクヴィカー
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おまけ・今回のトロヴァトーレ関連選り抜きツイート
@syara0802 いいんですかレオノーラがルーナ伯爵にあんなに😘して(笑)
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) September 24, 2015
ヨン様も健闘してるんだけど、表情の変化が乏しいのが気になりましたです。Il Trovatore: "Ah! sì, ben mio" (Yonghoon Lee) https://t.co/5lH1yWgIH8 @YouTubeさんから
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) November 4, 2015
真打💕Marcelo Álvarez Ah si, ben mio Di quella pira Il Trovatore 2011 https://t.co/33T5ycTNu7 @YouTubeさんから
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) November 4, 2015
マルちゃんは腹が出ていようが髭がむさ苦しかろうが一向に気にならないのだけど、ヨン様の華奢さはやっぱりHDだとちょっと苦しいかも・・;というのが本音。それにしてもマルちゃんの時から疑問に思っていたんだけど、マンリーコのベストの花柄はどうよ?!(あれは誰が着ても難しいぞよ💦)
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) November 4, 2015
あと、こっつあんの腹が4年前より出てきたな、と思った(見逃さなかったぞよ)こっつあん、時々ヴィノグラードフと似た角度に見える瞬間があるんだけど、ときめかないのは何故だ??
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) November 4, 2015
今回初めて作ったビデオクリップ、こちらでご紹介いただきありがとうございます!(^.^)
私はDimaのレオノーラがずっとあの「ねえさん」だったので、
今回アンナちゃんで本当に良かったです。
仰るように舞台姿に気品がありますね。
演技にも説得力があります。(ねえさんみたいに意味不明の演技がない^^;)
Dimaに関しては、あれほど役のアプローチを変えてくることにビックリ。
以前は大根だと罵られてましたけど、もうそんなこと言わせません(笑)
3回の復帰公演を終えて、よっぽど気持ちが入り込んだのか、
“Il balen”はその後の2つのコンサートでも熱唱を披露しています。
私もマルちゃん大好きですが、ヨン様も応援していますよ♪
一生懸命すぎちゃって演技パターンが1つしかないけど、
これだけの大スターと共演が続いてますから、いつか化けてくれるんじゃないかと期待してます(^.^)
娑羅さん:
せっかく綺麗に作っていらっしゃるので、なんとかして紹介したかったの(笑)
ちょっと中途半端なかんじになっちゃってごめんなさいね。
>今回アンナちゃんで本当に良かったです。
ほんとですよ^^; ねえさんも良い人なんだろうな〜とは思いますが、どうしてもヤンキーディーヴァな雰囲気プンプンですものねえ;;
ホロさん大根説には昔から懐疑的だったんですが、そういうことを仰る方は、もっとアクロバティックな身体的演技を求めているのでしょう。オペラなんだから、必要なのは歌にマッチした演技ですもの。
(ヨン様にもそれが言いたいわけ・・ホロさんやネトちゃんから学んで頂きたい(笑))
娑羅さんのところでホロさんのインタビューが紹介されていましたが、病気になる前、仕事を含めて色んなことがマンネリ化していたようなこともおっしゃってましたよね?それが、病気になったことでスイッチが入ったとでもいうか・・
あのくだりにはとても共感しました。これからまだまだ、歌って下さいますわよね?
近い将来ヴィノさんと「ドン・カルロ」で共演してRestate!のところで是非、ヴィノさんフィリッポに跪いて頂きたいものです(違^^;)
>ねえさん
うん、いい人だから応援したいんだけどね・・・。
Dimaの演技は舞台だとわかりにくいかも。
私達のように一挙手一投足も見逃さないようにしてると、常に何かしてるのがわかるんですけど。(落ち着きがないとも言う^^;)
>Dimaのインタビュー
はい、あの発言はビックリでした。
「病気になる以前、無感動で、世の中も暗く思えて、仕事も楽しくなく、とても疲れていて悲観的、人生が好きではない様な、心理的にそう感じていました。 」
とてもそんなふうには見えなかった。
ただ、ぶっ飛び行動も増えてましたし、ステージドアでも昔よりハイテンションだったし、写真でヘン顔を連発していたし、今思えばストレスがたまってたのかも・・・。
とても辛い病気ではありますが、いろんなことを見直すいい機会になったのかもしれません。
今後まだまだ進化してくれると思います!
うんうん、ヴィノさんのフィリッポに跪いていただきたい!
彼、絵になるのよ♪
娑羅さん:
>>インタビュー
そうそう、そのくだりです。
まあねえ、彼も53歳ですし。数年前にパーペが「オペラを減らして他のことも色々やってみたい」というようなことも言ってた時期もあったし、ちょうど色々考える時期なんでしょうね。
結果的にはいい機会であったと私も思います。病気を公表した上で「ここまでに復帰します」と宣言した通りにやってのけるなんて、並大抵のことではありませんもの。最近のお顔、とても輝いて見えますよ(^。^)
>うんうん、ヴィノさんのフィリッポに跪いていただきたい!
>彼、絵になるのよ♪
そうでしょう、そうでしょう。楽しみにしてます💕
うーんばたばたしていて行けず仕舞い(>_<)ホロさんの伯爵進化してるんですね!それは何としても観たいし、ネトコのレオノーラとのからみも観たいいいいい!!!笑
名アズチェーナとして知られたザージックも流石にそろそろ引退の二文字が見えてきた感じですかね。ちょっとさびしいです。
Basilioさん:
あらまあ、ちょうど研修など色々ありましたからね、仕方ないですよ。そのうち何らかの形でみられると思います。
>伯爵
まあもう、この役で現在彼の右に出る人はいないでしょう。過去のバスティアニーニにはなかった見た目の男の色気が備わっている上、歌い回しも現代的でありつつも、崩してはいませんし。いちいち納得できる演技歌唱に唸らされました。
ネトちゃんも、これまでの伯爵はドミ様でしたからねえ・・やはり実年齢で壮年期のホロさんとの方が、色々と気分も盛り上がるのではないかと(笑)
>ザージック
そうですね。今回が役デビュー25周年とのことです。ずーっとメトのトロヴァの映像はこの人が独占してきたわけですが、
個人的には若い時のは実はあまり好きではなく、前回(2011年)のが一番良かったかなと思います。
そろそろ次の世代に引き継いでもいいのかも・・と、今回はちらっと思ってしまいました;;
うーーん、一か月間我慢していたんだけど、やっぱり書き込みしちゃう。Basilio君も、またかよ!って笑ってくださいね。
>過去のバスティアニーニにはなかった見た目の男の色気が備わっている上
この部分にのみ、厳重抗議です(笑)
そりゃあ、見られなかった人に何言っても申し訳ないだけなんだけど、バスティアニーニはテノールが(特にコレッリとか)独占状態だった、セクシーオペラ歌手の位置に唯一君臨していたバリトンですから、聞き逃せません。なんかね、こういう言い方すると安っぽすぎるんだけど。
で、恥ずかしいから抗議はこのくらいにして。話題を変えます。
ヴィノさんのバレンシアでのバンコーが好評らしいですね。加藤浩子さんも褒めていました。マクベスがドミンゴというのは、もうほんとに勘弁して、と思うけど、ヴィノさんにはどんどんヴェルディ作品に侵略してきて欲しいです。そして新国で歌ってほしいものです。
以上
斑猫さん:
お久しぶりです〜コメントありがとうございます&大変失礼致しました。
バレンシアのバンコーの件、お知らせありがとうございます。加藤さん主催のスペインオペラツアーの一環で初日を組み込んで下さってたんですね。帰国なさったらブログに感想がアップされるでしょうから、楽しみに待ってます。
(ツアーの値段の高さに目を丸くしておりました😅)
>ヴィノさんにはどんどんヴェルディ作品に侵略してきて欲しいです。
ありがとうございます。既にそこそこヴェルディは歌ってます。
(レパートリー一覧↓)
http://darkhoneybass.info/repertoire/
私はもともとヴェルディアンではないので、モノによってはピンとこないことも多いんですが😅
(そこそこ歌っている割には、実演で聴くチャンスをずっと逸してるのもあるんでしょうけど)
斑猫さんやバジリオさん、そして加藤さんのようにヴェルディを心からお好きな方々から、彼のヴェルディを褒めて頂ける、又は楽しみにして下さっているのは本当に嬉しいです。
>新国で
ええ。ぜひフィリッポを歌ってほしいと渇望してますが、あまりいじめないで下さいね。
もしそんなことがあれば、今回の斑猫さん同様に私も、全力で彼を弁護して守りますから😉
またいつでも遊びにいらして下さいね。
早速のお返事ありがとうございました!
>ぜひフィリッポを歌ってほしいと渇望してますが、あまりいじめないで下さいね。
まあヴィノさんをいじめようなんて、そんなサディストではありませんことよ笑
老けメイクを頑張らなくてはならないのがお気の毒?とは思いますけど。
既にレパートリーは十分お広いのですね。フィガロとエスカミーリョだけしか実演に触れてないと、欲求不満になります。ドン・ジョヴァンニはまだかしら。何にせよ、まだまだ先が長くて楽しみですね。
お礼まで
斑猫さん:
>老けメイク
・・・・・ダイジョーブです!だいぶ貫禄ついてきましたから^^;
>フィガロとエスカミーリョ
昨年の来日は第九であっという間でしたし、もう新国のフィガロからも5年経っちゃったんですねえ。
それでも覚えていて下さって嬉しいです。
エスカミーリョは8年前に新国で歌った時は2つめのプロダクションで、その後「もうええで〜〜」と思うほど、たーっくさん歌うことになるとは思ってませんでしたけどね😅
フィガロは今年4月に、新国以来5年ぶりに故郷(モスクワ)で歌いましたけど、フィガロにはもう声が重くなってきているかも。
>ドン・ジョヴァンニ
そうなんですよね・・・最近はもしかしたら彼のような真性バスのDGよりも、バリトン寄りの方が好まれるのも起因しているかもしれません。元々DGはバリトンの役ですけど、私はバスのDGが好きなので、早く歌ってほしいんですけどね。
(あまり変な演出ではなく^^;)