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コロナ明け4年ぶりの遠征!ハンブルク州立歌劇場「ドン・カルロス」観劇記(2023年11月23&26日)

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今更感アリアリですが、2023年11月に、コロナ明け4年ぶりの遠征で行ったハンブルクでの「ドン・カルロス」について記しておきます。

目次

ペーター・コンヴィチュニー演出によるフランス語5幕版

この上演はペーター・コンヴィチュニーが2001年にハンブルクで演出&プレミエ、後にウィーン国立歌劇場との共同プロダクションとなり、ウィーンでの公演は商品化されています。

https://www.hmv.co.jp/news/article/1105160058/

あまり観る機会がないフランス語5幕版に加えて、3幕途中にバレエも挟まり、4時間超えの長丁場ですが、お騒がせコンヴィチュニーの演出の中でも、最も成功したものの一つではないかと思います。

爆笑バレエシーン「エボリの夢」

バレエシーンは出産間近のエボリとカルロス若夫婦の元に、両親のフェリペ&エリザベートがお祝いを持ってディナーにやってくるも、エボリは料理に失敗。宅配ピザ「ポーザ」を呼んでめでたしめでたし…といった「エボリの夢」という寸劇になっていて、ケッサクでした^^;

観客一体型!圧巻の異端審問シーン

もう一つ、この演出の白眉とも言える3幕後半の異端審問の場面。当時コンヴィチュニーが得意としていた壮大な「観客一体型」の演出となります。

フェリペ&エリザベート国王夫妻が最寄り駅からハンブルク州立歌劇場に到着、異端審問にかかる罪人たちをカメラが追っかけている場面を、劇場のロビー→客席→舞台上へ、という流れを持って(観客も傍観者としてロビーに出て来れる)場面が動きます。

異端審問シーン動画

この一連の場面は撮影OKだったので、期間限定で個人撮影動画を貼っておきますので、それぞれご覧になってみてください。

フランス語版とイタリア語版の違い

ちなみにフランス語版で聴いていても、頭の中ではイタリア語が鳴ると言う脳内変換装置が作動していた為、音楽的な違いは個人的にはあんまり感じませんでした。

イタリア語版にない部分の代表的なものは、ロドリーグ絶命の後、カルロスとフェリペが彼の死を悼む「ロドリーグの死」の場面。後にレクエイムの「ラクリモサ」に一部転用された音型ですが、ここを実演で聴けたことは嬉しかったなあ。

それとイタリア語版の5幕版での1幕(カルロスとエリザベートの出会い)は「。。。要らん」と思うことが殆どですが、フランス語版だと苦にならないのは不思議。もちろん歌手が水準以上だったことは重要ですが、それだけではない何かがあるのだと思います。

歌手陣について

  • ヴィノグラードフのフェリペ:現役の男感満載で、ナイーブなところもあり、政治的な駆け引きでは陰険度が増していた。
  • ニーノ・マチャイゼのエリザベート:丁寧な歌唱と役作りで好感が持てた。
  • エボリ:11/23のEve-Maud Hubeauxは素晴らしかった。11/26のKatja Pieweckは巧さは健在だが、少々トウが立ってしまった印象。
  • ラッセル・トーマスのカルロス:よく飛んでくる声でノーストレス。
  • ロドリーグのAlexey Bogdanchikov:見た目は理想的だったが、声量が他の歌手より落ちた。

4/12スペースで喋りました!

なんだかんだで、コロナ明けの最初の遠征演目をこれにしたことは大正解でした。また思い出したら追記します。

おまけ:カーテンコール

https://youtu.be/cIy7SNQD-n4

公演情報

2023.11.
Staatsoper Hamburg
Conductor Leo Hussain
Stage director Peter Konwitschny

出演者:

  • Philippe II (Philip II) Alexander Vinogradov
  • Don Carlos Russell Thomas
  • Rodrigue (Marquis of Posa) Alexey Bogdanchikov
  • Le Grand Inquisiteur (The Grand Inquisitor) Liang Li
  • Elisabeth de Valois (Elizabeth of Valois) Nino Machaidze
  • La princesse Eboli (Princess Eboli) 11/23Eve-Maud Hubeaux,11/26 Katja Pieweck
  • Un moine (A monk) Tigran Martirossian
  • Thibault Yeon joo, Katharina Jang
  • Une voix céleste (Heavenly Voice) Narea Son
  • Le comte de Lerme (The Count of Lerma) Carlos Andrés Cárdenas

Philharmonic State Orchestra Hamburg
Hamburg State Opera Choir
Children’s Choir of the Hamburg State Opera

 

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この記事を書いた人

通称ヴァラリン。モットーは【チャーミングなオトナのオンナ】

アラフィフ主婦の日常生活や年に一度?!のおっかけ遠征海外旅行記がメインでしたが、コロナ禍後は50代の日常ブログに変貌。
オットの定年退職を機に、2017年10月に神奈川県から奈良と京都の県境にお引っ越しして8年目。老親のゆる介護をしながら2024.10-近畿大学科目等履修生として、司書資格取得の勉強中です。

ロシア人バス歌手アレクサンダー・ヴィノグラードフのファンサイトも運営中:) そちらもよろしくお願いします。
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A great fan of Russian Bass Singer Alexander Vinogradov & a webmaster of his fansite :)

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