ベルギー・ブリュッセルで6月末に上演されていたラフマニノフのオペラ3部作。配信が始まったようです。
(アレコ、ケチな騎士(1:02:10辺り〜)、フランチェスカ・ダ・リミニ(1:55:40辺り〜)
こちら
3つまとめての配信なのね。。。
一通り観たので、簡単な感想を。。。
これってコンサート形式じゃないんだよね?オケが舞台の上に乗っているけど。。。
とにかく観てみて下さい・・としか言えない(笑)
先に「アレコ」と「フランチェスカ〜」を観ました。この二つは演出に共通点があります。階段の上に登場人物が殆ど微動だにせず(たまに動きます)
殆ど前を向いたまま歌います。ミニマムの極地だけども、却って動きや表現を制限されるような感じなので、これはこれで歌手は大変かも・・
ゼムフィーラ/フランチェスカのアンナ・ネチャーエヴァは、2月のナンシーでのゼムフィーラ/フランチェスカだったゲレナ・ガスカローヴァよりも断然好み!!
フランチェスカ〜では、ちょっと高音が苦しそうですけど、声が適度に深くていいな〜〜と思います。
アレコのコスタス・スモリギナスは、2008年にロンドンで「ボエーム」を聴いたついでに、ヤングアーティストのガラコンサートを聞きに行った時に歌ってた人。順調にキャリアを伸ばしているようですね。
この演出だと、逆の意味で感情表現は大変だろうな・・と思いますが、なかなか良い◎と思います。彼がマラテスタも歌ってくれたら良かったのに〜
・・ということは、はあその、マラテスタって難しい役なんだとしみじみ感じました^^;
(で、オケも指揮も疲れちゃったのか?アレコで聴かせてくれた、ふくよかさは何処へ行ったの〜〜?というぐらい、まるで別物?!)
マラテスタのDimitris Tiliakosは声が高過ぎ、長大なモノローグの3分の1ぐらいまではなんとか歌えてますけど、後半は声が上ずってしまっていて・・><;
ミニマムな演出は、象徴的な内容のこの作品にはマッチしていると思うので、もう少し歌唱力がしっかりした歌手で聴きたかったわ・・
パオロ(と、「アレコ」の若いジプシーも)はセルゲイ・セミシュクール。良い味出してます◎
で、翌日にケチな騎士を見ました。これ、今まで機会がなかったのでお初です!!
これだけ演出のテイストがちょっと違っていて、普通にオペラらしい演出です。(と言っても、前衛ちっくですけどね)
それでも各人の動きは制限されています。映像が(視覚的に時々うるさく感じることもあるけど)よい効果を出しているのではないかしら?
レイフェルクス、実は若い時の歌唱ってピンと来ないことがおおかったんですが、今のほうがいいなあ。確かにもう少し重心の低い声の方が、もっと歌の迫力は増すかと思いますけどね。
息子のアルバート役のDmitry Golovninも、公爵のIlya Silchukovもなかなかいい感じ。
男声オンリーのくら〜いオペラですが(笑)ラフマニノフのオーケストレーションが素敵。
ラフマニノフの3つのオペラは短いので、ちょっと見てみよう〜〜聴いてみよう〜〜で、全部聴けちゃうのがいいですわ(笑)
なかなか3つ揃って映像で見る機会はないと思うので、興味のある方は是非是非〜〜
Rachmaninov Troika
Music direction ¦ Mikhail Tatarnikov
Director ¦ Kirsten Dehlholm
In collaboration with ¦ Hotel Pro Forma
Co-director ¦ Jon R. Skulberg
Set design ¦ Maja Ziska
Lighting ¦ Jesper Kongshaug
Costumes ¦ Manon Kündig
Dramaturgy ¦ Krystian Lada
Video ¦ Magnus Pind Bjerre
Chorus direction ¦ Martino Faggiani
ALEKO ¦ –
Aleko ¦ Kostas Smoriginas
Young gipsy ¦ Sergey Semishkur
Old gipsy ¦ Alexander Vassiliev
Zemfira ¦ Anna Nechaeva
Gipsy woman ¦ Yaroslava Kozina
SKUPOJ RYTSAR‘ ¦ –
Baron ¦ Sergei Leiferkus
Albert, his son ¦ Dmitry Golovnin
The duke ¦ Ilya Silchukov
Money lender ¦ Alexander Kravets
Servant ¦ Alexander Vassiliev
FRANCESCA DA RIMINI ¦ –
Lancelotto Malatesta ¦ Dimitris Tiliakos
Francesca, his wife ¦ Anna Nechaeva
Paolo, his brother ¦ Sergey Semishkur
Virgil’s shade ¦ Alexander Vassiliev
Dante ¦ Dmitry Golovnin
Orchestra & chorus ¦ La Monnaie Symphony Orchestra & Chorus
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ところでラフマニノフの3つのオペラのうち、「アレコ」と「フランチェスカ〜」は、2月にフランスのナンシーでも上演されました。
こちら に情報まとめております。
ナンシーでは、アレコとフランチェスカ〜のマラテスタ、両方をアレクサンドル・ヴィノグラードフが歌ってます。(ダブルビルだったのよ!ちょっと自慢)
アレコとフランチェスカ・ダ・リミニ、両方とも8月中旬まで観られるので
ロシアものに興味のある方は、是非見比べを〜〜
フランス語圏で2回もこの珍しい演目が新演出でかかり、いながらにして映像で観られるって、なんて素敵な時代
彼のラフマニノフ愛溢れる歌唱を、是非ご堪能下さいませ。
・・・あ、まだ感想書いてない^^;
(ギョーム・テルにかまけている間に・・いけないわ、早く書かなくてはw)
それにしても、地味に映像も増えてきてヴァラリン嬉しい
今シーズンはトーキョーでのベジャール第九も含めると、アレコ/マラテスタと、先日のウィリアム・テルで3つも!
過去最高かも・・・(笑)ホームページのデータ入力も進めなくちゃ。忙しい〜〜