190129-0202-0205 カルメン@メトロポリタン歌劇場(全体編)

★3月8日〜14日までライブビューイング上映演目です。ネタバレ含んでいますので、気になる方は鑑賞後に読み流して頂けると幸いです。よろしくお願いします。

1月29日、2月2日(ライブビューイング収録日)2月5日の3回鑑賞。

もちろんアレクサンダー・ヴィノグラドフのエスカミーリョが一番のお目当ての鑑賞でしたが、今シーズン彼はMET以外にもダラス、ROH、ハンブルクでエスカミーリョを歌う(歌った)予定。

でもやっぱり、スター・テノールのロベルト・アラーニャのドン・ホセと共演できる機会はそうそう訪れないでしょうから、選ぶならMETのカルメンだな…と心の中ではずっと前に決めてました。

というのも、スターたるアラーニャを実演で一度聴いてみたかったのはもちろんなのですが、カルメンという演目自体、この10数年でそこそこ観て来てまして

M.アルバレス(11年ボローニャ来日)

110919 カルメン@ボローニャ歌劇場来日公演(東京文化会館) – Valenciennes Traeumereien
来日公演には滅多に手を出さないんですけど、マルセロ・アルバレスを一度実演で聴いてみたかったこと&このプロダクションには興味があった+幸い、オークションで1F2列目(!)という良席を、良心的なお値段で譲って頂けたお陰で、かぶりつきで観ることができました。 緞帳代わりに、キューバ国旗がかかってましたが、これが舞台から一メートルくらいの位置。一瞬「しまった、近すぎたかしら^^;」と思いましたが、幕が上がればもちろん奥行きもありますから、非常に美味しい席だったと思います。 さて開演前に、ボローニャ歌劇場の総裁エルナーニ氏より、挨拶がありました。 この挨拶のさなかにブーイングが飛ぶとかいう、穏やかでない話も目にしていましたので、どうなることやら…と思ってましたが、さすがに千秋楽。8割ぐらいの入りだったそうですが(自分の席位置から振り返ってみたら、ほぼ埋まっているかな?という感じに見えました)この日の観客に、そういう無粋なことをする方はいらっしゃいませんでした。 私は、千秋楽の公演が好きです。演奏者にもちろん疲れはあると思いますが、「これが最後の公演だから」という、演奏者の気迫が感じられる楽日なら…

ホセ・クーラ(13年ベルリンドイツオペラ)

130110 カルメン@ベルリンドイツオペラ:★★★★★ – Valenciennes Traeumereien
到着日当日にスリリングな思いをしてまでも観たかった(聴きたかった)のは、ホセ・クーラがドン・ホセを歌う【カルメン】。 少し遅れても、隅の方ならもしかしたら途中で入れてもらえるかも・・・という願いもあって、2階(日本式に言うと3階)Loge一列目という席にしました。結局開演に間に合ったのですが、この席は大当たり! いわゆる「ボックス席」で、係りの人に鍵を開けてもらって入ります。 4列×2シートの8人掛けですが、途中で(ちょっと落ち着きのない^^;)親子連れが入ってきたのですが、後半にはいなくなっていたので、私たち夫婦で貸し切り状態! スカラ座のボックス貸し切りは憧れではありますが なにもスカラ座へ行かなくても、DOBでもセレブちっくな雰囲気を堪能(笑) (写真は反対サイドの同じエリア) さて、ホセ・クーラには、ちょっぴり思い出があります。 私たち夫婦が初めてベルリン国立歌劇場へ行った2004年の夏、「ドン・カルロ」を観た帰り道。どこからともなく聴こえて来たのは、素晴らしい歌声の「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」でした。 その時、ジャンダルメンマルクトで「クラシック・オープン・エア…

そしてロベルト・アラーニャ(19年MET)

で、ポスト3大テノールのドン・ホセ実演コンプリート達成\(^^)/

私の実演鑑賞に於いて、基本的にスター歌手には殆ど縁がなかったのですが、この役だけは結果的にこういうことに。

今回のMET鑑賞も、このコンプの為ってのも大きな理由。三者三様、それぞれに忘れがたいホセですが、とても素晴らしい体験ができたんだな・・と改めて感謝です。

そのアラーニャのドン・ホセですが、これまでに観た映像で感じた通り、身長はあまり高くないんだ、本当に・・というのが第一印象。

ミカエラがホセを探しに来て、いないよ・・と兵隊さんたちにからかわれて去った後、別の兵隊さんたちの行進の列の前から2列目にホセがいるんですけど「小さいのに華やぎのあるあの人は!もしや!!!」
って感じでした。

また、けっこうつまんない(ように見える)細かな作業(真面目な顔して、小学生のように手を振って行進したりとか、3幕の密輸団としてのシーンでは地道にダンボールを運んだりとか^^;)の演技でも、隙がない。

もちろんどんな歌手でも、演技に手を抜くなんてありえないと思いますが、何と言っても大スター。そのような素振りが一ミリぐらいは出ても、誰も何も言わないと思うんですが、
出なかったですね・・・(当たり前か)
役への踏み込み、手の内に入れてる感の凄いこと!

そして、今回のMETでの5回の鑑賞中、声の聴こえ方から推し量る歌手の力量について色々思うことがあったんですが、アラーニャは最初のホセの出だしの歌を、まるで鼻歌を歌うようにかる〜く歌っているんですが、ちゃんと客席に、まったく無理なく弱声まで届く。しかも心地よく。

声量面での不満は全く感じられませんでした。あんな小柄(でも胸板厚くてセクシー❤️)なのに、どこからそんな声が?!とびっくり。今回たくさんの歌手さんたちの生歌、生声に触れましたが、間違いなくアラーニャが今回のベストでした。

演技的にもカルメンとの二幕のやりとりでの変態エロエロオヤジ(褒めてますっ!カルメンがカスタネットを叩いて踊りながら歌うところでの変態っぷりがすごいのw ショールすりすりしたりして)っぷりからの、一旦カルメンに拒絶されるとこの落差には萌え萌えしました(≧∇≦)し

エスカミーリョに煽られて(またカルメンに助けられたエスカミーリョが「君は命の恩人だ・・」なぁんてす〜〜〜〜ぐ、カルメンを口説こうとするから(^_^;)))
逆上したり、止めるミカエラのことを聞こうともせず「いやだ、俺は行く」ってとこの狂気の入り方とかも完璧。

4幕のカルメンとの丁々発止のやり取りは、若いカルメンから捨てられる哀れな初老の男としてのホセに感情移入してしまい
「うわああああああ、捨てるなよカルメンこの男をっ」って、つい同情してしまいましたよ。

ホセは情けないマザコンの若造として捉えられがちですが、私はこの人は、大人の男というか、中年〜初老の男性がいいんじゃないかな、と思います。
単純にカルメンの色香に迷ったのだ・・と言ってしまうには、あまりにも短絡的というか。
大人の男だからこそ、動物的なオスがメスを求めるように、若くてむちむちのカルメンを求めたんじゃないかな。
(なので、2幕の絡みでは変態オヤジのようなそぶりを見せてくれると、ストンと納得行くのです^^;)

対するエスカミーリョは彼よりも若干若くて肉体的にも「ツヨイ」んじゃないかと。

若い頃のアラーニャのホセの映像では、甘えんぼうっぽい感じで個人的には違和感ありまくりだったんですが、
今のアラーニャだと、そういう初老の男の侘しい雰囲気がばっちり似合います。
彼よりもうんと若いカルメンは、やっぱり彼よりも若干若くて強いエスカミーリョを選び、捨てられる・・そこには大人の男の破滅と、肉体的なアノ部分でも「負けた」ってのを感じていたんじゃないかな・・

(そういう観点から見ると、今回のキャストは絵的には完璧だと思いますよ〜〜初老の哀愁を感じさせるホセ、むちむち肉感的で若いカルメン、スカしたエスカミーリョw、庶民的で親しみやすい雰囲気のミカエラ・・ですもの!)

今回のカルメンでは、アラーニャと奥様のアレクサンドラ・クルジャック(ミカエラ)が夫婦共演することでも話題になっていました。
クルジャックのミカエラは、初役だったとのことですが、上で書いたように庶民的でどこか親しみやすい容貌も相まって、見た目的には最強の組み合わせだったかも。

テストカメラが入っていた29日の公演では、若干上の方が苦しい感じで、大丈夫かな・・と思っていたのですが、2日のライブビューイング収録時には持ち直していました。なので、映像で見る分には、きっと素晴らしいミカエラだと思います。

歌的には、1幕のホセとの二重唱は、この上演のハイライトのひとつだったと思います。二人の気持ちが双方にぴったり向き合っていて、ハートが飛び交っているのが目に見えるようでした。

彼女の生の声をMETで聞くには、ちょっと劇場のサイズには合ってないかも。もう少し小さい劇場で聴いてみたいな・・と思いました。
でも3幕のミカエラのアリアなども、心のこもった情感溢れる歌で、1幕ではあんなにラブラブだったホセとの末路を思うと、悲劇が刺さるなあと。

で、カルメンを歌ったクレモンティーヌ・マルゲーヌですが;
大ぶりの顔の作りの超美人さん+むちむちのセクシーダイナマイトボディ(よく似合ってる衣装からおっぱいがはみ出そう)+役作り的には女性らしい情感を携えてまして、
この演出の初演の時にアラーニャと共演していた、無機質なガランチャよりもうんと女っぷりが高いところは私好みで、好感度は高かったんです。

でもね〜〜〜残念ながら歌が(声が)乗ってこない。響きの薄いタイプと言いましょうか。
狭い範囲の音域でちまっと歌っている印象は、3回聴いても最後までぬぐえませんでした。歌い回しも平坦で、感情の起伏が歌に乗ってこないのです。

このメンツでは、彼女の力量だけがちょっと落ちるかなあと。

(これでカルメンが(嘗てベルリンでクーラとの共演時に聴いた)アニータ・ラチヴェリシュヴィリだったら、どんなに素晴らしい映像記録になっただろうな・・と思う瞬間が幾度となく訪れました・・・)

こういうのは相対的な問題でもあるので、おそらく共演者が変われば、あまり気にならなくなる可能性大だと思います。
マルゲーヌは持っているものはとても良いと思うし、何年か経ってから聴いたら、また進化している可能性も大だと思いたいし、楽しみにしてます。

エスカミーリョとの相性は非常に宜しかったようで(笑)二人のイチャイチャシーンは、絵的にも美しいですよん❤️

ところで、2幕冒頭の酒場でのダンスシーンはこの作品の中でもとりわけ好きなんですが

ここで、ダンサーとしてはあり得ないような、恰幅の良い男性ダンサーが踊るんです!もちろんちゃんと軽やかにステップを踏んで。女性のサポートもお上手。

いや〜〜流石人種のるつぼのアメリカ、失礼ながらどんな体型の方でもダンサーとして能力が高ければ認められのね!と勝手に納得していたんですが、実は彼、密輸団の一味・レメンダート役のテノールさんなのです!!

それならあの体型にも納得・・なんですが、3回とも彼から目が離せなくて^^;
ライブビューイングでも楽しみにしています。

さ、いよいよ今週金曜日からHDが始まりますし(仕事の関係で2回しか見に行けなさそうなのが残念ですが;;←去年は3回見たもん・・って、実演で3回見て今回2回観ればまあ上等・・かな・笑)
HDを見たらまた違う感想を持ちそうですから、また書きます・・たぶん😂

1月29日のカテコより

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指揮:ルイ・ラングレ
演出:リチャード・エア
出演:
カルメン:クレモンティーヌ・マルゲーヌ
ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ
ミカエラ:アレクサンドラ・クルジャック
エスカミーリョ:アレクサンダー・ヴィノグラドフ

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