ファウスト探求への賽は投げられた、ルチアの克服には匙を投げた(今年上半期のヴァラリンの結論)
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) May 19, 2016
ぶっつけ本番で明け方3時からの放送に、対訳を聞きながら挑む・・
基本的に予習をがっつりしてないと落ち着かないんですけど、今回はこれで良かったと思います。いい演奏で刷り込みができると、ますます退屈しそうだったから(アワワ)
今はPCで対訳を確認できるのがありがたいですね。
実は「ルチア」といえば狂乱の場。その狂乱振りとは、きっと「サロメ」や「エレクトラ」のモノローグみたいに感情の爆発によるカタルシスが得られるのだろう・・と密かに期待してたんですが、
・・・えっ💦 こんなにかわいいの(←自分に問題が大有りなのは重々承知してます・・・・・)
あの時代の「狂乱」とは「狂乱」という名の歌唱技術大会ですからね・・とお詳しい方にご教示頂いたんですけど、はあ・・そういうことね。
ルチア」の狂乱の場ってこのぐらい爆発的なんだと思ってたので、初めて聴いてグラスハーモニカが可愛く鳴ったりして思い切り拍子抜けしたわ・・💦Hildegard Behrens – "Orest!" – Elektra Met 1994 https://t.co/4AEZv5jOMY
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) May 12, 2016
実はソプラノの「ホヘハヘハー」に殆ど興味が持てないのよね・・
(生理的に合わない・・と言ってもいいくらい)
古今東西「ホヘハヘハー」が感情表現と上手く合致するような表現を望むのは殆どムリな話で、今ならダムラウぐらいじゃないのかなあ?
(彼女の非ドイツ物に賛否両論あるのは承知してますが、私は彼女の「椿姫」のヴィオレッタをテレビで見聴きして、初めてあの作品が単なる人気オペラじゃないんだ〜〜ってことがわかったというくらい、衝撃的だった)
実はダムラウはこの公演のCキャストで一日だけ出演するのですが、其の日のライモンドは彼女の旦那様なのよね・・
も〜〜せっかくならダムラウで聞きたかったし、ダムラウと共演して欲しかった。そしたらきっとこの感想ももう少し好意的なものになったと思うのよね・・
共演者ってやっぱり重要。申し訳ないけど、今回彼と共演したソプラノさんは、全くいいと思えなくて;;
あと・・エンリーコのバリトンさんもちょっと歌が雑・・
初めて聴いた作品でそんなこと言うな!と怒られそうですけど、そう感じちゃったのよ。
エドガルドだけは割といいと思ってたら、前に「リゴレット」で共演した時の公爵だった人でした。あの時も割といいと思ったんだった。
彼の最後のアリアを聞きながら、そうそう、そういえばマルちゃんは若いころエドガルドを得意にしてて、今でもマルちゃんの本領はそっちだとおっしゃる方が多いのはうなずけました。
そーいうわけで、んじゃヴィノグラードフはどうだったの?と言われるとね・・
確かにほかの人の声を聴いている時とは、心のくすぐられ方が明らかに違うのは自覚できたし、3幕のアリアだったかな・・アカペラみたいな感じになるとこ。
あそこは、お客さんが思わず拍手しちゃった・・ってのが感じ取れて、ちょっとうるっとしたりもしたんですけど、
・・・・・・この役、ぜんぜん面白くない^^;
ありゃ絶対「自分はいい奴」で解釈して歌ってるねw
写真もいくつか出ているんですが、紹介する気になれなかったのは終始暗い絵ばっかりだからです💧
ミキエレットの演出って「テル」の時もとにかくシリアスに持って行く感じだったけど、皮肉なことにそーいうところで要求されているであろう 辛気臭い → シリアスな表情って、彼の歌のスタイルとマッチするのよねえ。。。
基本的にああいう説教臭い役ってぴったりだし、似たような役どころのロレンス神父なんて萌え萌えだったし、
そもそもザラストロを観て(聴いて)惚れているので(あ、ピーメンもw)彼の坊さんや神父系の役って好きなんですけど、
でもライモンドを今後愛していけるか〜?となると、どうなんだろう。。。オヤジヴァルターとか、シルヴァとか、私の中ではかなり下位ランクに位置しそう・・・・・・・・
つまり、悪魔(メフィストさまっ😍)とか殺し屋(スパラフチレ・・😍)とか復讐に燃える王位後継者(オレストよオレスト😍)とか、一癖ある役に変態愛を見出した今となっては(変態愛は今に始まったことではない?)
家庭教師のような辛気臭い役では満足できないってことよ。
それともしかしたら私、トリノの演奏とはちょっと相性が悪いのかも・・
トリノには3年前に実際に足を運んでますし、劇場としてはとても良いところですし(街もキレイよ♪)
初日の公演は必ず放送してくれるので、
ここにヴィノグラードフが(Aキャストで)出てくれると色々と恩恵が受けられるんですが、
実は放送録音を聞き返すことが殆ど無いような・・ビットレートも低いからかな〜〜とか、色々思ってみたのですが。なんというのか、ちょっと前のめり気味で早すぎて、いい意味ではなく、胸が苦しくなっちゃうようなかんじ・・
(2013年秋の「リゴレット」だけは別格で(←私のスパラフチレ変態愛を目覚めさせたw)あれはノセダの指揮じゃなかったな・・とか・・あれ?あれ?もしかして私、劇場と・・というよりノセダと相性が悪いのかしら💧)
私が見たのは「オネーギン」で、その時はその場の雰囲気でいい演奏だったと思ったんですが、後から初日の放送を聞き返すこと、殆ど無かったな・・^^;
(その放送録音を元に作ったヴィノグラードフのグレーミンのアリアクリップはお陰さまで好評なのだけどねw)
でもねえ、何しろ彼は「ノルマ」のオロヴェーゾでデビューしているのもあって、ベルカントものは声のためにも大事でしょうし、今後も多分、歌っていくはずなのよね〜〜
お願いだから、今度歌うときにはもっと私好みの共演者と演奏でありますように、せめて少しはこの作品が好きになれますように・・と願うばかりです。。。
(この一週間、けっこう真剣に悩んだのよ💧 好き・・とまではいかなくても、せめて普通に聴けるくらいにはなりたいのに、こういう悲しい感想しか書けない自分の嗜好が恨めしい💦)