5月3日は私の誕生日でした。年女でアラフィフと言えば、いくつなのかお察し頂けますね?(笑)
アラフィフのシューカツの厳しさをひしひしと感じながら迎えたお誕生日・・歳をとることは誰しも平等で
嫌だと思ったことはこれまでに一度もないのですが、こと、シューカツが絡むと
「もう少し若い時にコッチに引っ越してきてれば、もう少し選択肢が広がって、楽に仕事が見つかったかもしれないなあ・・・」と思わなくもないです。
ま、シューカツのことは今日は置いといて;
誕生日🎂には親しい友人達からお祝いメールやメッセージを頂いたり、家族でちょっと良いレストランでランチしたりと、テンション高く(笑)楽しく過ごせました。(郵便がGWで止まっていたけど、在独の友人からも素敵なプレゼントが届きました)
GWで郵便が止まっていたので今日届いた在独の友人からの誕生日プレゼント🎁ありがとう〜💝 pic.twitter.com/bfMdrDLtK0
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) May 7, 2018
もう一つ嬉しかったのは、目下NYのメトロポリタン歌劇場(MET)で活躍中の、私の大好きなアレクサンドル・ヴィノグラードフが出演した「ランメルモールのルチア」が日本時間の5月3日の朝、ライブ放送にかかったこと!
ネットラジオの恩恵を受けるようになって10年以上になりますが、誕生日に放送が当たったのは初めて。難点は私が大の苦手のベルカントの「ルチア」という演目って事だけ(^ω^)
ヴィノグラードフが「ルチア」(役はルチアの家庭教師・ライモンド)に出るのは2年ぶり。前回トリノからの中継放送を聴いた時も全然良いと思えなくて(彼の歌自体は悪くないんだけど、なんせ作品そのものに興味が持てなくて;;)
そのままほったらかしてたんですがね。。。
今回も期待値はかなり低いながらも、所変われば、共演者が変われば…何がしかの効果があるかもしれないとも思ってました。
結果的には…大満足。共演者が今回の方が断然私好みだったの(我ながらチョロい\(//∇//)\))
ベルカントの何が苦手…って、あの「ほへはへはー」と、これを歌う歌手さんたちは、相対的に糸のように細い声のソプラノが多く、この手の声には全く食指が動かない。
思い込みかもしれないけど、感情の裏付けよりも技巧優先、技術のひけらかしみたいに感じていて。
ま、「狂乱の場」ってそういうものよねえと思っていたんですが、
今回のルチア役、南アフリカ出身の新進ソプラノ、プリティ・イェンデのちょっと陰影のある声での真心、歌心、情感溢れる丁寧な歌唱に
「えっ、ルチアもこうやって歌われると、感情が手に取るようにわかるよ…」
と、対訳を追いながら聴いているうち、ウルッとしたり。
ルチアでまさかの落涙…
…と感じたままを、ベルカントにもお詳しいお仲間にお話ししたところ、
「ヴァラリンさんはもしかして、技巧よりも情感を求めていらっしゃる?」
と言われて、あ、そうかそういう事なんだ…と腑におちました。
イタオペでの例えができるほどの自分ストックがないのが恐縮ですが、
例えばワーグナーでは、ビルギット・ニルソンやギネス・ジョーンズよりもマルタ・メードルやヒルデガルト・ベーレンスのブリュンヒルデやイゾルデに、より共感できるのです。この嗜好から、特に女声歌手には情感を求めていることを察して頂けるかと・・
ただし技術がきちんとしていること前提で、旋律を変にこねくり回すだけとかいうのは❌「私、頑張ってます!ほらほら悲しいでしょ!嘆いてるでしょ!」ってのが見える(聴こえる)のは苦手・・・
もしかしたら、ベルカントの技巧にもそういう作為が見える(聴こえる)ような気がするのかもしれない。ほへはへはーは、もちろん狂乱という名の技術発表会みたいなものかもしれないけど、
やっぱり音符でそれ(苦しみや悲しみ)を表したくて、ああいう音型を生んでいるのでしょう?(ドニゼッティ先生に聞いたら「違う」っていうかもしれないけどw)
イェンデはお顔のイメージと、今までのレパートリーから(愛妙とか歌ってるみたいだし)レリ・グリストみたいに細くてキュートな声なのかと思ってたんだけど、
どっちかというと深みとほのかに陰影のある声だし、なんといっても丁寧、歌心、真心と情感が感じられます。
ちょっと、ミレッラ・フレーニに声質、フレージングに感じられたので、ルチア以外の役で(ミミとか、もう少し熟したらエリザベッタなんかも行けるかも・・もちろんフィリッポはご贔屓さんでw)聴いてみたい・・と思いました。
ヴィノグラードフのライモンドは、改めて2年前のトリノのと比較してみたら、声に余裕が出て来たんだなあ・・・としみじみ感じました。
昔100%ギリギリで出してたところを、おそらく80%くらいの力で出せるようになったので、その分歌い回しをより精密に仕上げる余裕が出て来たんじゃないかなと。
基本的な役の解釈は多分同じなんだけど、より荘重、重みを増した感じで。
じつはライモンドの役がどういう意味を持っているのか、まだわかってはいないんです。でも今回の放送をきっかけに、ゆっくりでも、少しずつ理解したい…って思えたから。
・・だいたい「えーこんな役やだ・・」とまでは言わないまでも^^;どうしても好きになれない役ってのもありまして。
そういう葛藤を抱えながらも、だんだん好きになることはこれまでにも再々あったから・・・(メフィストとかメフィストとかエスカミーリョとか)
ま、特効薬とはいかなくても「こんな役やだやだ病」のお薬は、いつでも彼が処方してくれるということよ\(//∇//)\\(//∇//)\\(//∇//)\
ドミンゴほか、いわゆる「スター歌手」と共演したNYデビューの「ルイザ・ミラー」の時は、特にドミンゴ効果で
7公演のうち、3回もラジオ放送はあるわ、映画館でのライブビューイングはあるわ(日本では5月19日〜25日)
ほぼ全てのカーテンコールビデオがYTに上がったり、インスタには楽屋口でのツーショットが溢れ
(探すつもりじゃなくても、行き当たるのよ^^;)
それは、全く嬉しくないわけではないんですけど(私も最近はカテコのビデオ撮ったりしますし・・下手すぎてアップできないだけですが^^;)
「やっぱり、メトのこういう雰囲気って好きになれないな・・」
って思ってたんですが、あれはやっぱり、特別な公演だったんだと思います。
「ルチア」は若手中心で、そーんなにすごく情報が溢れるわけでもなく(私のキャパシティを超えない範疇の情報量で心地いい)
でも、演奏はすごく心に響きましたし
ああやっぱり、国際色溢れる若手中心のキャスティングで
(主要キャストの出身国:ルチアー南ア、エドガルドーアメリカ、エンリーコーハワイ、そしてライモンドはロシア・・ですものね!)
すごいビッグネームのスターがいなくても、いい演奏はいい演奏なんだな・・
そういうものも放送にかけてくれたり、提供してくれるのが、メトの懐の深さなのかもしれないな・・って思いました。
もし彼が「ルイザ・ミラー」だけの出演だったら、メトに対するもやもやを抱いたままだったと思います。この、Bキャストの「ルチア」にも出てくれたこと、本当に感謝してます。
いろんな意味で、そういう演奏を誕生日に聴けたのは嬉しかったです。ヴィノグラードフに大感謝です。最高の誕生日プレゼントになりました。
・・え?
結局私の諸々のヤダヤダを治してくれる薬を持っているのは、彼様ってこと♬
(最近精神状態が良好なので、いいうちにいいこと=ノロケは書いておきます(にへら〜))
ところで、こんな感じで、好き好き〜💕ほら私、こんなにヴィノグラードフのことが好きなのよ💞をデレデレ書いていると、マウンティングと言われるのか?(定義がよくわかっていない)