★特設サイト
運慶展
仏様は一日のうち、午前と午後でせいぜい2体ずつくらいをゆっくり、じっくりとお寺のお堂の中で観るのが望ましいとは思えど、お堂の中は暗かったり、遠かったり、前からしか観られないし、そもそも秘仏で通常は見せてもらえないとか、そのお寺に足を運ぶのが困難だったり・・で、色々制約があるのも事実。こういう展覧会で一同に見られるのは、決してマニアの方、お詳しい方だけではなく、仏像に親しむという点に於いてもとても良い機会だと思います。
奈良の仏像、京都の仏像・・とひとくくりにはできないんですが、なんとなく、小学校の修学旅行で京都と奈良、両方に行った時に、どっしりとしたイメージの奈良の仏像(やお寺)に、より心惹かれました。尤もその時には、どの仏像、どこのお寺・・と記憶していたわけではないのですが、おそらくその頃の記憶の片隅にインプットされた「奈良の仏像」は、多分、運慶作のものだったのではないかな・・と、今になって思います。
4月に奈良国立博物館で「快慶展」を見た時には、あまりの数の多さと、次から次へと迫ってくる一つ一つの仏様からの迫力に、お腹いっぱい状態になって、かえって印象が散漫になり、疲労感さえ覚えたのですが、今回はそういう疲れ方はしませんでした。
人の数は断然今回のほうが多かったんですが、それは快慶<運慶という意味ではなく、奈良と東京の地理的な問題でしょう。もし同じ企画を逆同士でもやっていたら、どうだったのかな・・(どっちでも、どっちの企画もやると思われている方がそこそこいらっしゃるようなのですが、6月で終わった奈良で快慶、11月26日まで東京で運慶。これでお終い、だそうです)
一つ一つの仏像が割とゆったり配置されていることと、ライトの当て方が明るすぎず、暗すぎず・・程よいスペースに上手く配置されているからかもしれません。
作品リスト(運慶展特設サイトよりも、字だけならこのリストのほうが見やすいと思います)
多くの方が仰ってますが、入ってすぐ配置されている奈良・円成寺の大日如来坐像。このインパクトは強烈。これがデビュー作なんですから、もう・・・ねえ。
興福寺の北円堂内陣を再現した配置も素晴らしかった。特に興福寺の四天王立像。かっこいい(笑)
特に右手に槍を持ち、左手の塔を高く掲げるポーズの多聞天像のデフォルメ・・オットが
「(陸上の)ボルトのキメポーズは、これを参考にしたんじゃないのか?!」
なーんて言ってましたけど、13世紀にこの構図、このセンス・・さすが運慶。
同じ部屋の無著菩薩立像・・360度どの角度から観られる恩恵で、後ろからもまじまじ観ましたが、衣が本当に、本物のようなしわで、衣擦れの音まで聞こえてきそうな。
仏像ビギナーの私が最も愛している作品は、高野山の八大童子立像のうち、今回無著菩薩立像と並んでポスターにも採用されていた制多伽童子♡8年位前に初めて高野山に行って観た時から「可愛い♡」と愛でています(2014年にサントリー美術館で高野山の至宝という展示をやった時には、3回も行っちゃったわ♡♡♡)
サントリーの時は、むき出しのまま8体横に並んでの配置で、それでもかなり近い距離で観られて「持ち帰りたい^^;」という衝動に駆られてたんですが(←)
今回は(今回いらしてるのは6体のみ)一体ずつ、ガラスケースに収まっていて、
「いや〜〜ん!360度どの角度からも、50センチくらいの至近距離で観られる😍😍😍」とニヤニヤ、興奮しまくり(笑)制多伽童子の周りだけをぐるぐる何周もしてしまい、完全に怪しい人に・・💧
(お背中が意外とムチッとしてて、筋肉隆々ではないけど、そこがまた子供らしくてきゃわいい)
もう一体触れておきたいのが、愛知県岡崎市・瀧山寺の聖観音菩薩立像。お寺の外に出るのは初めてとのことですが、ここ、6〜7年くらい前に伺った時に、ちょうど雑誌等で紹介され始めた頃だったんです。その時住職さんが
「なんか急に参拝者の方が増えまして・・そんな凄い仏様だとは知らなかったもので・・どうぞゆっくり観ていって下さい」
と、商売っ気?!まるでゼロ^^;な感じだったのがとても印象的でした。
色は江戸末期〜明治初期に補彩されてるとのことですが、鮮やかで、素直に綺麗だな〜と思います。表情も女性的ですし。観ておいて損はないと思います。奈良や京都の仏像ならば、観光その他で行く機会があっても、岡崎には滅多なことがないと足を運びませんし、車でないと行くのがちょっとむずかしい場所ですので。。。
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ちなみに、ウチが行ったのは第一週金曜日の午後。着いたのは11時ちょっと過ぎだったんですが、一番混雑している時間でした。それで取ったのが、こういう行動↓
運慶展。入場40分待ちの時間帯に到着したので、時差作戦で先にお昼。その後常設展を見てから平成館に向かったら丁度良く入れました。個人的には我慢の限界レベルの混雑。8割方年配者で占められてる客層を見る限り、ネットする層とは思えない。なので日曜美術館等で放送されたらもっと混むと思うな。
— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) September 29, 2017
つい、朝一番で行きたくなりますけど、その時間帯は高齢の方が非常に多いとのことで、却って混み合うそうです。
私が入った時の客層も8割は年配の方でしたし、ネットで混雑状況などをチェックする層とは思えない感じ。
最近の話題の展示は、テレビ放送の後にものすごく混み合うようですので、TV放送の予定もまとめてみました。
#運慶展 関連テレビ放送予定
BSプレミアムで7日https://t.co/1f2pldEefv
BS日テレ(ぶらぶら美術館)で13日https://t.co/CVH2nxNc8K
地上波NHK日曜美術館で15日https://t.co/OdQs24rzVa
放送後はより混雑するかと思われます。— ヴァランシエンヌ (@valen_vino) October 3, 2017
BSは皆が皆、観られるわけではないので、地上波15日の「日曜美術館」放送後が一つの目安ではないでしょうか。展示入れ替え等もありますし、お目当ての仏様がその時でないと観られない・・という場合はともかく、できるだけ早い時期の、午後の時間帯が比較的マシでなないかと予想しています。