ワクワク、ドキドキ、ときめいたと思えば悩んだり。ココロは万年乙女・奈良/京都の県境からアラフィフ主婦の愛と勇気と愛しい声と。

160925 ファウストの劫罰@ミューザ川崎

日々の暮らし

日本のクラシック音楽界的には、今年はゲーテの「ファウスト」を題材とした作品の当たり年だそうですが(3月のボーイトの「メフィストフェーレ」のプロローグ+今月は東京で2つの団体が「劫罰」をかけたのですから、確かに意義のあることだと思います)

私自身も、今年2月のドイツ・エッセンでの実演体験を経て、長年苦手としてたグノーの「ファウスト」の面白さにやっと目覚めたこと+私のご贔屓さんも7月にモスクワで「劫罰」のメフィストデビューを果たしたことで(9月末&10月頭の再演にも出るよw)

「よぉーし!グノーたんも克服できたんだから(彼様の為にも)この際ベルリオーズも克服してやるわ!」

と意気込み、一度も通して聴いたことがない状態でチケットを買った・・んですが・・・

予習でいくつかCDを聴いてみたり、映像を見たりしたんですけど、なんというのか・・自分の身体に入ってこないタイプの音楽だと気がついた後には、もう、この日が来るのさえ気が重く、行くのをやめようかとさえ思ったんですけど、
日本の公演のメリット「字幕を見ながら疑問点を解消する」という目的を果たす為、そして、どういう化学変化が起きるかわからないし・・・と思いまして。

で、結論から言うと:
個人的にはやっぱりグノーのファウストの方がオペラ的メロドラマチックで、音楽的にも断然好みです。

あっちはオペラ、こっちはオラトリオなので、そもそも比較するのが間違っているのは百も承知ですし、
ゲーテの原作の取り上げ方も、どちらもつまみ食い(失礼)とは言え、

グノーの方が、宗教色と切り離して考えることが可能な部分が多い(つまり、どんな宗教の人にも共感したり「あ〜〜わかるっ!」が可能とでも言うか)
たとえば、ファウストとマルガリータの恋の進展っぷり・・
ファウストがいきなり告白→戸惑うマルガリータの心の揺れ→押しまくるファウストを一度は拒否するものの、結局彼の腕に落ちる・・
という、まあ、通俗的と言ってしまえばそうなんですが(笑)

・・こういう恋愛における動きって、映画やドラマにもよくあるじゃないですか!!!(だから女性にとってはわかりやすいんだよw)

そういう心の動きを含めて、マルガリータ目線で細かく描かれているグノーのとの決定的な差が、マルガリータが捕らえられる原因。
グノーの方はマルガリータの子殺し→捕らえられる・・ですが、
ベルリオーズの方はマルガリータの母殺しが原因で・・ってなるんですよね。

これが個人的にはピンと来ない一番の理由かも。もちろん母殺しだって大きな罪なんですけど、ファウストとのロマンスに於いて、ちょっと説得力に欠ける気がするんですよ。。。

タイトルロールに視点を移しても、グノーのファウストくんの主張は、最初から「若返って恋愛したいだよ、俺は」の一点張りゆえ、
ファウストのキャラが「プッ、アナタそれじゃモテませんことよ?!」と、なにげに出来の悪い(ゴメン^^;)モテナイくんとして、わかりやすく設定されているのに引き換え・・
ベルリオーズのファウストくんの辛気臭いこと💦(ゴメン)
(深い森とか静寂を愛しているのは、ドイツちっくで良いなあと思うんですけど、音楽はそういう風には描かれてないし)

メフィストもねえ・・グノーの方はエレガントで可愛くってカッコよくって、でもホントはこの人コワイのよ・・的二枚舌でないといけないけど、ベルリオーズの方は狂言回しとしてもちょっと弱いんじゃないかなあ?アリア2つもグノーたんの方が聴きごたえがあるよ?

あとね・・オラトリオなので仕方ないんだろうけど、登場人物の会話が殆どないでしょう?各人がめいめい、自分の主義主張をその場で歌って・・って流れになっちゃうのが。。。
音楽が会話として成立しているところがオペラの面白さだと思う身の上には辛い・・

そう、ドラマとして弱い作品は苦手(だからベルカントやバロックも苦手)な私にとっては、ハードルが高い。
そのくせ音楽はグノー以上にキンキラキンで、ものすっごい軽薄な感じなんですよねえ。。。最後の救済のとこなんて、もういいよ・・というくらいしつこくて長いし(ごめんなさい・・)

演奏自体は、自分の中のサンプルが少ないのであまり詳しく言えませんが、オケはもう少し音量を落としても良かったんじゃないかなあ?少し歌手に遠慮してよ〜〜と思うところがいくつかありました。

メフィストフェレスのミハイル・ペトレンコを実演で聴いたのは2010年12月の都響での第九のバスソリスト以来。その時のレポにも書いたんですが、まー、彼は舞台上でじっと待っていることが出来ないタイプなのか、しょっちゅうキョロキョロ、落ち着かないんですよね;;

最初はそれを観察しているだけでも面白かったんですが、途中から他の歌手が歌っている時に自分の歌うところをさらっているのか、楽譜を(こちらから見ると)必要以上に捲ったり、自分が歌う時に譜面台をズズズッと上に引っ張り上げるような感じで伸ばすのとかの仕草が、時間が経つにつれ、気になるようになりました^^:(ゴメン^^;)

インタビューによれば、劫罰のメフィストは今回がロールデビューとのことなので、まだ本人も不安があるのかも〜〜なんですけど、あそこまで落ち着きなく楽譜をべらべらされると、観客も不安になります💦

それと、以前よりも声が軽くなっちゃった?6年前は、体型はすらっとしているけど、重心の低い歌手だなあと思ったんですが、今回、低音部は殆ど聴こえないし、上の方も苦しそうなところがいくつか。

そうそう、私の応援している人がしょっちゅうフランス語の発音に難点大有りだと言われるんですが、ペトレンコの歌い方を聴いていて「確かにフランス語に明るい方が聴いたらこういう箇所が難点だと言われるのかも・・」ってのが、なんとなくわかった気がします^^;
鼻音の鼻にかけ方?っていうのかな・・ちょっと作為的なのよね(私のご贔屓さんも同じです。ロシア的発声だとそうなるんかな・・)

ファウストのマイケル・スパイアーズは、ちゃんとテノールの声でテノールのパートを歌ってくれたのが有難かった。比較的軽めのメフィスト・ペトレンコとはちゃんと対比がついてましたし。最近はこういう対比がつかない組み合わせ等も多いのでね・・

ソフィー・コッシュはいつも「薔薇の騎士」のオクタヴィアン等、ズボン役で目にすることが多いので、ちゃんと女性らしい格好をなさっていたのが新鮮でした(違)

そういうわけで、残念ながらグノーたんのファウストほどには多分今後も萌えないと思うんですが、また機会があれば・・(=万が一、私のご贔屓さんが来日して歌うとかいうことがあればね)
その時は何某かの化学変化がもたらされるかもしれません(笑)

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ファウスト(テノール):マイケル・スパイアーズ
メフィストフェレス(バス):ミハイル・ペトレンコ
マルグリート(メゾソプラノ):ソフィー・コッシュ
ブランデル(バスバリトン):北川辰彦
東響コーラス(合唱指揮:安藤常光)
東京少年少女合唱隊(合唱指揮:長谷川久恵)

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それと、ミューザ川崎に行ったのは初めてだったんですが、もう二度と行きたくないです・・通路もロビーも狭くて居住性が悪い・・トイレの数も全然少ない。
建て直しをした時にその辺りには手を入れなかったのか、疑問です・・・

ヴァランシエンヌ

通称ヴァラリン。モットーは【チャーミングなオトナのオンナ】 そろそろアラフィフ主婦の日常生活や年に一度?!のおっかけ旅行記がメインですが、最近はお寺や仏像のこと、美術展の感想も書くようにしています。 オットの定年退職を機に、2017年10月に神奈川県から奈良と京都の県境にお引っ越し。新しい生活をスタートさせました。 2018年藤原歌劇団の「ドン・ジョヴァンニ」タイトルロールで来日予定のロシア人バス歌手アレクサンダー・ヴィノグラードフのファンサイトも運営中:) そちらもよろしくお願いします。 詳しくはこちら Great fan of Russian Bass Singer Alexander Vinogradov & a webmaster of his fansite :)

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