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190129-0202-0205 カルメン@メトロポリタン歌劇場(エスカミーリョばっかり編!)

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★3月8日〜14日までライブビューイング上映演目です。ネタバレ含んでいますので、気になる方は鑑賞後に読み流して頂けると幸いです。よろしくお願いします。

1月29日、2月2日(ライブビューイング収録日)2月5日の3回鑑賞。

最初は2月2日のHD収録日は、3月に映画館で観るのだから、それ以外の日にちを見た方がなんとなくお得な感じがするなあと思って、2月5日、最終公演の8日の2回観るつもりで計画を立てていました。

ところが飛行機がどうにもうまく合わず、おまけに2月5日が春節でホテル代も高騰。
ならば前にずらして、いっそのこと3回観るかあ〜〜で、こういう日程になりました。
(お陰でゆったりはできたんですが、カードの請求金額が恐ろしいことになっておる。。。)

結果的にはこの日程で良かったと思います。
29日はHD収録のためのテストカメラが入っていましたから、なんとなくそれ向けの最終確認を兼ねたリハーサルのような面もあったのかなと感じましたし

2日の収録日はものすごい熱量で「ああやっぱり、こういう特別な時に居合わせたのは幸せなことだなあ」と思いましたし

5日は無事収録が終わって、カメラがなくなったお陰か、皆さんリラックスしていて、普段の公演のいい高揚感を感じましたし。

それぞれの雰囲気の違いを楽しむことが出来ました。いっそ最終公演の8日も観たかったなあというのが本音。

さて3月8日からは全国の映画館でHD(ライブビューイング)もあるので、あまり細かな感想はそれまで控えておこうかなと思っていたのですが、
やっぱり映画館で観る前に整理しておこうと思いまして。

ネタバレが嫌だ!という方は、どうぞHDが終わってから「ああ実演だと、そういう風に感じたのか・・」と読み流して頂ければ幸いです。

2009年が新演出でしたから、もう10年経っているんですねえ。その時のHDはガランチャとアラーニャのコンビで観ています。

Valenciennes Traeumereien
100211 カルメン@Metライブビューイング - Valenciennes Traeumereien 二週続けて行くのはキツイし、どうしようかなぁと思っていたところ、ネットでの評判が賛否両論に分かれているのが何となく気になって(笑)結果はまずまず。面白かったことは...

その後WOWOWで放送されたものを録画したはずなんですが、帰国して見比べてみようと思いつつ、そのままになってます。

どういう演出だったのか、映像を数回観ただけでは細部まで覚えていなかったんですが、今回改めて観て「おや?」と思った部分が。

・エスカミーリョはガールフレンドを連れて酒場に現れる
・しかしそのガールフレンドはそれっきり出てこない
・3幕のホセとの決闘シーンではなんとなく微妙に息が合ってない気がする・・
・4幕のカルメンとの二重唱は二人の結婚式も兼ねている
・ホセがカルメンを刺して「ああ、俺のカルメン・・」と嘆いているところで回り舞台が回転して、
最後、舞台の真ん中にいるのは牛を仕留めたエスカミーリョなのよ!
おまっ、美味しいとこ取りやん!!(違)

・・・なんだよ、結局エスカミーリョが関係してる場面だけじゃん(そうだよ)

エスカミーリョがトレアドールを歌っている間、ガールフレンドちゃんはカルメンのお友達その他の人々にちょっかい出されて「やめてください!」みたいなそぶりを見せたり、エスカミーリョがカルメンを見るなり態度が変わったところでは、とても不安そうな表情を見せたりしてて。

エスカミーリョは「んー、そんな顔しないで。僕の心は君のものだよ❤️」的表情を浮かべて、彼女のご機嫌取りつつ退場するし(こういうのをスケコマシというのだな・・;)

なかなか面白い試みだなあと思ったんですけどね。
なので、彼女がそれっきり出てこなかったのはちょっと残念。

カルメンとエスカミーリョの結婚式に見立てた4幕前半の群衆に彼女を紛れ込ませたりするなり、もう少し存在感が欲しかったな。
(いるかどうか探してみたけど、いなかった・・と思います。誰だエスカミーリョばっかり見てたから気がつかなかっただけでしょって思った人はw)

そういうところまでは描き切れておらず、なんとなく中途半端感があって、モヤっていたのでした(笑)

ちなみにガールフレンド役の女優さん、29日と2日のHD収録日は同じ方だったんですが、5日は別の方に変わっていました。
彼女の方が、より勝気な役作りで(ちょっとだけ収録日の彼女よりも私好みの美人さんだった)面白かったんだけど。

エスカミーリョを歌ったアレクサンダー・ヴィノグラードフはもうほんと、(*1)バスカミーリョの面目躍如。
抜群の安定感で上から下までよく鳴る上、低音は床を這って届いてくるような感じで、ゾクゾクしました。
METで歌う歌手として、充分な声量で無理なく歌えることをこの耳で確認できたことは、私にとっても、とても幸せなことでした。

最近のヴィノグラドフは低音域がより充実しているので、昔聴いた時よりもさらに安定感、重量感共に増してますし、
フランスオペラ的エスプリの効いた、本来の軽やかなエスカミーリョとは対極なんだろうな、と思います。

でも、これはこれで、エスカミーリョの芯の強さが感じられるようで、いいんじゃないかな・・(と私が言っても全く説得力がありませんなw)

どの日も好調でしたが
(あの極寒ニューヨークで、よく風邪も引かずに体調整えて出演してくれたことよ・・大感謝)
一番のびのびと歌ってたのは、多分収録から解放された5日かな、と思います。

酒場にカノジョを連れて来たり、3幕のホセとの決闘シーンの後、カルメンに助けられた後にすぐ口説こうとしたり・・昔はそーいうことしなかったんですけどねえええええええええ。
いい意味でチャラくなったかな・笑

4幕のカルメンとの2重唱=結婚式の後、カルメンとちゅー❤️して(ここんとこ、すっごい芸が細かいのでHDでは要注目!!!どういう映像構成になっているのか、楽しみ(^〜^))
闘牛場に入る前に跪いて十字を切るんですが、カッコ良かったわ、あの場面(笑)今思い出してもニヤニヤしちゃう💕

・・なーんてキャッキャウフフな感じで書いてますが、
今でこそ、エスカミーリョがシグネチャーロールと言われるほど回数を歌って来たヴィノグラードフですが、私が実演で聴いたのは11年前(2007年)の新国カルメン以来。

あの時は彼自身2つ目のプロダクションでした。当時まさか、後にこんなにエスカミーリョばっかり歌うようになるとは思ってもみませんでしたが、やっぱり進化しているんだなあとしみじみ思いましたし、
あの時、6回コンプリートしたことを懐かしく思い出し、感慨深いものがありました。

今回のMETも、新国も、比較的オーソドックスな衣装と回り舞台を効果的に使ったオーソドックスな演出で(上に書いたように、細部には色々隠し味があるけど、基軸は変わらず)
時折オーバーラップする瞬間もあり・・で、感極まってうるっとする時もあり・・

あれから何度も歌っているのに、あれから一度も実演には縁がなかった。
今、脂が乗ってる時期に最高の共演者と、世界同時配信の映像収録の場に立ち会えたこと、本当に嬉しいです。

配給元の松竹さんが、彼の《闘牛士の歌》一部アップして下さっています。

3月8日からのHD、是非楽しみになさってて下さい!
(長くなったので一旦切ります。アラーニャのホセ、女性陣については別立てで)

(*1)バスカミーリョ:バスが歌うエスカミーリョのことを仲間内でこう呼んでます^^;

***************

指揮:ルイ・ラングレ
演出:リチャード・エア
出演:
カルメン:クレモンティーヌ・マルゲーヌ
ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ
ミカエラ:アレクサンドラ・クルジャック
エスカミーリョ:アレクサンダー・ヴィノグラドフ

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