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150523 カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師@Metライブビューイング

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ヴェリズモ・オペラの双璧で、CDやDVDのカップリングも多いけど、
圧倒的に好きなのはカヴァレリア〜で、多分手持ちのディスクも8:2、いや、もしかしたら9:1くらいの割合で、カヴァレリア〜ばっかり聴いてるかも^^;

でも今回、トータルでは道化師の方がまとまっていたと思いますし、初めて道化師の面白さ、音楽の美しさに開眼したかんじ。やっぱり、続けて集中して聴く機会は逃してはなりませんね。

【カヴァレリア】
今回はマルちゃんことマルセロ・アルバレスが両方ともテノール役を歌う+ファビオ・ルイージの指揮ということで、今シーズン一番楽しみにしてたライブビューイング。マルちゃんのトゥリッドゥが待ちきれなくて、ラジオ中継でこちらは先に音だけ聴いてました。

・・いやもう、音だけでもルイージの紡ぎ出す、特に弦楽器を際立たせた輪郭のはっきりしたオケには耳を奪われ、(勿論マルちゃんの歌唱も)楽しみだわ〜〜と思っていたんですが、合唱の場面で若干、ズレがあるのとか、他にもちょこちょこ気になる所があったんですが、映像を見て納得。

演出は、変に読み替えはしてなかったのは良いんですが
(何処かの音楽祭のホームドラマ風とかね・・)
廻り舞台にする意味はあったのかな?とか、
いらんところで、関係ない人の踊りが無駄な気がしたとか
(アルフィオさんのアリア、声も姿も立派で目も耳も引き込まれ、勇ましく歌っているのに、あの3人のダンスは一体何?!目障りだし、音うるさいし、気が殺がれました)

ローラの位置づけがうるさ過ぎとか
(ローラって、もっとあっけらかんと罪の意識がないかんじ・・例えば(最近は望むべくないかもだけど)ツェルリーナみたいな感じで充分だと思うのよね・・今回の歌手さん、小さい役だけど目立ってやる!的な野心満々な感じがアリアリでかわいげがなくて、あれだとトゥリッドゥも浮かばれないよ・・あんがい演出家泣かせなのか、実はこれまで、どの映像を見ても納得できないんですが、今回も><;)

まあ色々あるんですけど、一番違和感を感じたのは、サントゥッツァが終始出ずっぱりで、最後のトゥリッドゥの「母さん、この酒は強いね」を彼女が聴いていたこと・・;

サントゥッツァは自らの嫉妬がトゥリッドゥを死に追いやったということで、トゥリッドゥが自分のことを気にかけてくれていたことは、知らなくていいと思うのです。
それはもちろん、計り知れないほど深い心の傷ですし、自身も復活祭の呪いがかかったとでも言うか、一生その痛みと責め苦をしょって生きて行かなければならない・・という、苦さがこの「美し過ぎる」オペラの本質だと思うので。
あのアリアで泣かされるのは、マンマ・ルチアと観客だけで充分。サントゥッツァが泣かされるのは筋違いでしょう。

サントゥッツァはエヴァ=マリア・ウェストブルック。ワーグナーで活躍中の彼女ですが、私は実演で「ムツェンスク郡のマクベス夫人」のカテリーナを聴いたことがあって、その時も思ったんですが。。。
なんて言うのかな・・「私、こんなに悲しいの!」「こんなに傷ついてるの!」「ほら、わかりやすく頑張ってるでしょ」的な、やってます・・感がどうもチラチラ見え隠れする気がして、わざとらしい(歌唱も演技も)気がして、共感しづらいんです;;
インタビューでご本人も「ちょっと、やり過ぎてしまうのよね」と仰ってたので、自覚なさっているんでしょうが・・

サントゥッツァはうざい女ですけど(笑)愛し過ぎて見えなくなってしまう感覚「それ、わかるわ〜〜」と感覚的に思わせてくれなくては。

アルフィオのゲオルク・ガグニーゼは、まー、マルちゃんが小さく見えてしまうぐらい(後ろから見るとねw)大柄で押し出しが強くって、私にとっては理想的でした^^
演技も適切だし、いいわ〜〜惚れそう(笑)スカルピアとか良さそうだけど、新国にはファルスタッフでいらっしゃるとか。是非生の声をお聴きしたいものです❤

で、マルちゃんのトゥリッドゥですが、さっすが。歌の巧さでは当代随一のテナーだと思うんですけど、サントゥッツァに詰め寄られたところでわざと目を合わせないとか(笑)
アルフィオとの決闘に至る酒場でのやり取りとか、もちろん「この酒は・・」では号泣でしたわよ。役の持つ複雑な心理描写を繊細に表現してましたし、今回はいつもにも増して、演技にも目を見張るものがありました。

<出 演>

サントゥッツァ……………エヴァ=マリア・ウェストブルック
トゥリッドゥ…………….マルセロ・アルヴァレス
ローラ………………..Ginger Costa-Jackson
アルフィオ……………….ゲオルグ・ガグニーゼ
Mamma Lucia………….Jane Bunnell
Peasant……………..Andrea Coleman

***************

【道化師】
こちらはカヴァレリアほどの思い入れがないせいか、演出もすんなり受け入れられました。(あ、でもカニオが無駄に酒ばっかり飲んでいた気がするんですが^^;またマルちゃんがそーいう、クダをまくような仕草のうまいこと、うまいこと!!)

それに何と言っても、主役3人の息ががっちり合っていて、見応え、聞き応えとも充分でした。ホントは、カニオとネッダはもう少し声が太い方がいいのかな・・とも思うんですけど、これってルイージの好みでもあるんでしょうね。(叫ばないのが理想、って仰ってましたし)

特にネッダのパトリシア・ラセット!映像の蝶々さんがとても好きなんですが、ほんと、歌心いっぱいで、繊細で。ヒロインとマルちゃんとのケミストリーは、こちらの方が勝っていたと思います。二人とも気持ちを表現に上手に乗せることができますし、オレだけ、私だけ・・にならずに、相手とちゃんと合わせて歌ってるのを聴くのは、目にも耳にも心地よいです。

ガグニーゼのトニオも、この作品に置けるトニオの重要性がよ〜〜〜っく、わかりました。前半ってカニオよりもトニオの方が、出番が多いですし、今回はプロローグから引き込まれました(ピンクのお衣装も似合っていたぞよw)

で、マルちゃんのカニオ。
いえ、あのリリックなお声で、よくぞあそこまで、激した表現を追求したと、心から喝采を送るんですけどね、
やっぱりもう少し、この役には、オテロ歌えるくらいの絶対的な声の太さがある方が理想的かな、と。

とはいえ、これまでに見聞きした数少ない^^;私の【道化師】鑑賞歴の中で、今後も燦然と輝く上演であることは間違いありません!ルイージの指揮もこちらの方がより冴えていたと思いますし、間奏曲はこれまでに聴いた、どのCDやDVDよりも美しく聴こえました。
(オット曰く「カラヤン/ベルリンフィルを超えた」となw)

もう一度観に行きたいぐらい気に入ったんですが(カヴァレリアだって、モンク色々言ってるけど気に入ってるのよ^^;マルちゃんのトゥリッドゥもガグニーゼのアルフィオもルイージの指揮も❤)
ま・・暫く寝かせておいて、WOWOWで放送、若しくはディスク発売されるのを楽しみに待ちましょう。それまでは、録音した音だけで楽しむことにしますっ。

それにしても、短いオペラとはいえダブルビルで主役歌うのって、ほんと大変。マルちゃんが「衣装を着替えれば頭も切り替わります」って言ってたけど、2月にロシアもののダブルビルで主役を歌った人のことが、チラッと頭をよぎりました・・・
(早く感想書かなきゃな・・^^;)

ネッダ……………….パトリシア・ラセット
カニオ……………….マルセロ・アルヴァレス
トニオ………………ゲオルグ・ガグニーゼ
シルヴィオ………………ルーカス・ミーチャム
Beppe……………….Andrew Stenson
Villager…………….Daniel Peretto
Villager…………….Jeremy Little

Canio’s Troupe
Marty Keiser
Andy Sapora
Joshua Wynter

<指 揮>
ファビオ・ルイージ(2作品共通)
<演 出>
デイヴィッド・マクヴィカー(2作品共通)

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