140527 ドン・ジョヴァンニ@ベルリンドイツオペラ

ヘルシンキを出発するのが20分ほど遅れた為、ホントならば18:00ちょっと前に到着するはずが、
テーゲル空港に着いて空港を出たのが午後6時25分過ぎ。7時からの開演に間に合うかどうか、微妙だな~~と思っていたのですが、
タクシーで15分ほどの距離にあるドイツオペラ、素晴らしすぎます!
定時で飛んでいてもギリギリになるのはわかっていたので、ドイツオパーに一番近いホテル ibis Styles Berlin an der Oper 
を予約しておいて正解。チェックイン→着替えて→走って400mほどの、はす向かいのドイツオパーに着いたのが5分前。

チケットも、そのときの状況にあわせようと思って買っていなかったので、滑り込みで窓口に駆け込みました。

上の方の安い席でもいいかな・・と思ってたのですが、せっかく来たのだし、上から2ランク目の72ユーロの席で空いているところを教えてもらうと、平土間の13列目の左から7番目なんかどう?と勧められ、その席を購入。

クレジットカードで決済してもらうと「あら!あなた前にも何回か来ているのね!!」と、窓口の女性に言われました。以前はネットでチケット購入したんですが、顧客情報、残っているのね(^^;
「はい、急いでね~~!」と言われて走って席へ向かったものの、うろ覚えなので該当の入り口がどこなのかわからず、結局係員の男性を捕まえて、教えてもらいました。
13列目に辿り着くと、端から5番目辺りに一人男性が座っていて、その向こう側2席が空いていたので「ああ、あそこが私の席ね」と思ったんですが、ギリギリの時間に駆け込んで「すみません~~」と行くのもなんだなあと思い・・
とりあえず一番端に座って、もし後から本来ここの席の人が来たら、動けばいいか、ということに^^;
いやはや、慣れって恐るべし。こんな綱渡り的なこと、観劇旅行を始めたばかりの頃には絶対にできなかった荒技です。
この劇場の平土間で見るのは、かれこれ10年ぶり・・かな?2004年の年末に、ここに初めて来た時には、ホテルのコンシェルジュに取ってもらったので、確か前から6列目辺りの真ん中だったとおもいます。でもその時どう見えていたのかは全く記憶に残っておらず;;
その後数回とも、全て上の方から見ていたので・・
この劇場、視界はどこに座ってもそれなりにいいんだな・・と思いました。上の方が結構快適なので、上からばかり見てましたけど、
平土間でも傾斜がしっかりついているので、ちゃんと全体が見渡せます。そういうわけで一番左端からでしたが、見切れる所も殆どありませんでしたし、視界のストレスは殆ど感じませんでした。
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この演出は2010年(だったかな?)に新演出され、プレミエ時に舞台上の事故により、ダンサーの一人がが奈落へ落ちて亡くなった・・という、曰く付きの舞台。舞台写真を見ても殆どモノトーンで暗いし^^; まあ、見てもあんまり楽しい演出でないことは、ある程度織り込み済みでした。
タイトルロールは、プレミエ時にもタイトルロールを務めたイルデブランド・ダルカンジェロ・・・のはずだったんですが、急病によりキャンセル。
私は一度も当たったことがなかったですし、今回楽しみにしていたので残念でした。
彼は前日の「ファウストの劫罰」のメフィストも歌う予定だったんですが、この期間の公演は全てキャンセルし、休養に充てたとのこと。大事ないといいのですが・・
代役はMark Stone。初めて名前を聞いた若い方でしたが、ハイバリの美しい声で、難しい演技もこなしながら、体当たりでよく頑張っていたと思います。彼に関しては充分満足できました。
(5月27日のみ彼が代役で、後の公演はカルロス・アルバレスが歌ったとのことですから、それを知ってしまうとちょっと残念・・;)
では、ダルカンジェロやアルバレスが歌っていたらこの舞台の印象が変わったのか?と尋ねられたら、それはNO!でしょうね。
結論から言うと、大嫌いなタイプの演出。意味不明で暴力的でちっとも美しくなくて。
確かにキケンもいっぱいで、こりゃ死者が出ても不思議じゃないわ・・とハラハラしながら見たシーンも多数。特にドンが地獄落ちする直前の、騎士長とのやり取りとところなんかは、
ドンとその分身?手下?(これがまたよくわからない・・^^; ドンが歌っている時には、常に何人かの分身がつきまとっていた。これがダンサーの役割)
が、幅の狭いテーブルの上に多数乗っていて、癇癪持ちのようにぶるぶる震えたり、悶絶しながら互い違いにそれらが上下する(多分、5~6mは上下していたと思う)もんですから、見てて怖かったです;;
…事故があっても、この辺の演出は手を抜かないわけね(^^;
舞台上に黒いゴミ袋が散乱しているシーンがあったんですが、あれは一体何だったのか??? ドンが途中で、客席にイエローカードを一枚ずつ放り投げるんですが、あれも一体何??
SMプレイっぽいところもあったり
(ドンが上半身裸で、鞭を振り回しながらSっぽい性格を醸し出している・・ってのも、新しい解釈のようでいて全く新しくはないと思うのよねーー;)
半裸の男性達が沢山出てきて、大きな円錐状のものを汗だくになりながら押し回したり・・なんか、強制労働みたいで嫌だわ~~と思ったり。

唯一面白い!と思ってクスクス笑ってしまったのが、石像とドン&レポレッロのやり取り。石像は客席(平土間の10列目よりかは前辺りの、真ん中辺りと推測)から二人に声をかけ、ドンとレポレッロはせり出し舞台を歩きながら、二人で懐中電灯で探す・・というくだり。
これは効果的だったと思います・・が、実はこれ、嘗て心酔していた(笑)ベルリン国立歌劇場の「コジ」でこのアイディアはやっているんですよね・・

そんなわけで、なーんか、どっかで見たことのあるような演出の切り貼りで、既視感もアリアリね・・ふーん・・と思って見ていたんですが、最後の最後でどんでん返し。
ドンが死んだあと、ドンと分身、そしてレポレッロが、むくっと起き上がって、舞台後方に下がって行く。音楽はそこで終わり。
・・・つまり、ドン亡きあと、残りのメンバーで歌われるべき重唱をズバッとカット。最初、戸惑い気味にぱちぱち・・と聞こえた拍手が、あ、そういうこと?と気がついた後では、怒濤の拍手に変わりました。
はあ~~~なるほどね・・そういえば、途中の重唱部分(ドンに変装させられたレポレッロが皆にばれて袋だたきに遭う所)で思いっきりブーが飛んだんですが、あれ(重唱としての体を成していなかったといえばいなかったのでね・・;)下手だからブーしたの?と思ってたんですが、
もしかしたらあのお客さんは、既にこの演出を見ていて結論を知っていたので、重唱そのものに対してのブーだったのかもしれない・・とも、思ったわけです。
カーテンコールでの一番人気は、レポレッロを歌ったアレックス・エスポジート。まーよく動くこと動くこと。
「カタログの歌」は腹筋に腕立て伏せしながら歌うわ、舞台の端から端まで全力疾走しながら歌うわ、それはそれはすばしっこい。よく体力あるわね~~と感心することしきり。
で・も・ね。
私はオペラを見に(聞きに)劇場に来ているわけです。歌付きのアクロバットが見たいわけじゃないの。
オペラはクラシックですから、その枠…というか、ボーダーラインが私の中にあるんです。歌い崩したり、♪を飲み込んだり、過剰な表情付けは、特にモーツァルトでは御法度でしょう・・
私のその枠を、彼は完全に超えてしまっています。
演出家の難しい要求によく応えていると思いますけど、大げさに動くから演技達者だとは私は思わないのです。ゴメンなさいね~
そんなわけで、もしかしたらその場にいた中で、一番冷めた目で彼を見聞きしていたのは私かも・・
でも、お客さんは彼に大喝采を送る・・巷での評判も上々ですから、あーそうね、私の頭が固いのね・・ということですわね 😛
この劇場、嘗てはフィッシャー=ディースカウ、ヨーゼフ・グラインドル、ワルター・ベリー、エリザベート・グリュンマー+指揮はカール・ベーム等の綺羅星メンバーでドンジョやってたのよねえ・・そこからすると、随分遠くに来ちゃったもんだなあ・・などと(実際に見たわけでもないのに^^;)妙な感慨にふけっておりました。
もしかしたらまた新しい50年後に、もっともっとぶっとんだドンジョをこの劇場の片隅で見ながら、
今の私のように「嘗てからすると、随分遠くに来ちゃったもんねえ・・」と思いを馳せている日本人女性がいるかもしれません(笑)
その頃には、日本ードイツ間がコンコルド並みの超高速飛行機で、2~3時間で移動できちゃってたりして。
でも、良くも悪くもこれが今のオペラ界のトレンドであるのは事実。良いか悪いか、好きか嫌いかは別にしても、
お客さんの反応の良さを肌で感じましたし、確かにこういうタイプの舞台は、日本ではまず味わえないと思います。
そういう意味では色々イラつくことや、頭を抱えてしまうところもあるけれど、満足の行く舞台。やはり到着日に無理してでも見た甲斐はありました。
幕間にはブレッツェル&アプフェルザフト。そして終演後は近くのスーパー”Kaiser’s”でビールとチーズをちょこっと買って帰り、
正しいベルリンの夜の過ごし方?!を満喫して、お部屋に戻ったのでした。

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2014年5月27日
Besetzung
Musikalische Leitung
Inszenierung
Bühne
Kostüme
Chöre
Choreographische Mitarbeit

Don Giovanni
Donna Anna
Don Ottavio
Der Komtur
Donna Elvira
Leporello
Masetto
Zerlina
Chöre
Orchester

投稿者: ヴァランシエンヌ

通称ヴァラリン。モットーは【チャーミングなオトナのオンナ】 アラフォー→そろそろアラフィフ主婦の日常生活や年に一度?!のおっかけ旅行記その他を執筆中です。 10年間の公立図書館パート勤めに別れを告げて新たな人生模索中。 人生のスパイスは愛と勇気と愛しい彼の声。 ロシア人バス歌手アレクサンドル・ヴィノグラードフのファンサイトも運営中:) こちらもよろしくお願いします。 詳しくはこちら Great fan of Russian Bass Singer Alexander Vinogradov & a webmaster of his fansite :)

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